なまずのねどこ

ちょっとオタク寄りな旅の記録。B級スポットとか県境とか駅とか魚捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。

喜界島奇怪紀行 Part1

更新サボって放置してる間に、前の記事から4か月も開いてしまいました。申し訳ないです…

この数か月間、コロナ禍と私生活の忙しさがあいまって碌に遠出やアウトドア系の活動ができていなかったんですが、先週やっと機会ができたのでここぞとばかりに喜界島に行ってきました。

 

■Q. 喜界島って?

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A. 奄美大島の東側にある、足の裏のような形をした隆起サンゴ礁の島です。人口は6000人台。南の島らしくサトウキビの栽培が盛んです。

小さい島というほどでもないですが、端から端まで行っても15kmほどなので、その気になれば自転車でひととおり巡ることも可能な大きさ、といったところです。ただ、この手の島にしては意外と高低差があるので、百之台公園など内陸の丘陵部の観光にはレンタカーを使う方が無難だと思います。島を一周するバスもあります。

 

■8/17夕方 at鹿児島新港・北埠頭

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鹿児島本土から喜界島へは夜行フェリーで。フェリーあまみ・きかいの2隻体制で、土日運休の週5便運行です。今回乗るのは徳之島平土野(へとの)行きのフェリーあまみです。

※注意: 奄美大島(名瀬)・那覇行きの船とは別の発着ターミナルです!

 

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乗船時に写真を撮り忘れたので、代わりに船内から眺める開聞岳の秀峰をお楽しみください…

鹿児島新港から377km、約11時間の船旅です。

 

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旅客の食事用にレストランの開放はされていましたが、コロウィの影響で営業は休止中。まぁしゃーないね。

 

■8/18未明 at喜界島・湾港フェリーターミナル


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4時半に入港。こうやって写真で見ると、やはり沖縄行きのフェリー波之上などと比べてかなり小さいです。

 

当然この時間だと宿のチェックインもできないので、ひとまず夜明け前の町を散策します。

 

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喜界島の中心となる集落、フェリーターミナルにほど近い湾(わん)にある島唯一の信号機。2003年にようやく設置されて以来、それ以外の設置の動きはないらしいです。奄美大島屋久島のように観光客の多い島でもないですし、これで十分事足りるのでしょうね。

余談ですが、島の大きさや人口規模の割に自販機がかなり多い印象でした。商店の類が少ないせいでしょうか?

 

せっかくの朝マズメなので、持参したオキアミを使って港内で釣り糸を垂らしてみます。

 


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カスミアジのメッキ、ヒメフエダイ、オキフエダイをゲット。早速南国らしいメンツですね。

 

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そうこうしているうちに夜が明けてきました。

Part2へ続きます。

JR福塩線旧線 八田原駅跡


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八田原ダム建設に伴う福塩線・河佐〜備後三川間の経路切り替えの際、水底に沈む形で旧線ごとその使命を終えたという珍しい経緯をもつ廃駅です。1989年廃止。当時の駅名標が八田原郷土民俗資料館の脇に展示されています。

最寄り駅は隣の河佐駅ですが、バス路線などはないため、アップダウンの多い県道に沿って3km以上歩くことになります。列車の本数も1日6往復とかなり少ないので、余裕を持って訪問するにはレンタカーを使うしかないかも…

 

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八田原ダム。かなり大規模なダムです。訪問したのが早朝だったため見学は叶わず。廃線跡の踏査も含め、改めて訪れたいと思います…

片道7分の離島 佐伯湾・大入島の旅

 

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大分県佐伯市の大入島(おおにゅうじま)に行ってきました。佐伯市街からほど近い位置にあり、対岸の日豊本線の車窓からも間近に望むことができます。

 

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市の玄関口・佐伯駅から港までは徒歩10分ほどでアクセスすることができます。島と本土とを繋ぐ航路はいくつかありますが、今回は本数が多く運行距離も短い「大入島観光フェリー」を使いました。石間港まで片道150円、航行時間7分というプチ船旅です。

 


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甲板の大部分は車両甲板で、両側に設けられた旅客用のスペースは病院の待合室のような簡易なもの。

 

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佐伯港側でレンタサイクルを借りられるので、これを使って島を一周することにしました。3時間300円 (1時間延長ごとに100円追加) という良心的な価格設定です。利用しない手はないでしょう。

 

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程なくして石間港に到着。大入島は全体的に平地が少なく入り組んだ海岸線の島で、港のすぐ側まで山が迫るような地形が多いです。ここから反時計回りに島をひとめぐり。

 


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漁港に面して家々が連なる集落と、対岸の佐伯市街。急に曇ったり晴れたりと不安定な天気ながら、内湾の奥部ということもあり波は終始穏やかでした。

 

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集落間を結ぶトンネルは岩盤をそのまま打ち抜いたような凸凹のものが多いです。

 

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探索を終え、帰りの船を待つ間に港の脇で釣り。僅かな時間でしたが、かわいいメバルが相手をしてくれました。

廃線遺構巡り JR鍛冶屋線

訪問日:2015年12月30日

 

今回は比較的新しめの廃線です。といっても30年近く前ですが…

加古川線から分岐していた4つの枝線のうちのひとつ、鍛冶屋線。廃止された年が1990年なので、国鉄民営化後の数年間は存続していたことになります。

 

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起点となっていた加古川線西脇市駅にやってきました。廃止前は野村駅という名前でしたが、市街中心部にあった西脇駅に代わって西脇市の玄関口としての役割を受け継いで改名したという経緯をもっています。ここからかつての終着駅・鍛冶屋まで歩いていきます。

 

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駅の西口から北方向へ、鍛冶屋線の路盤を活用した遊歩道が続いていました。200mほど進むと加古川線の線路と別れて進むことになります。右前方に見える大きな建物は西脇ロイヤルホテル。この向かい側が西脇駅跡です。

 

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■西脇 にしわき -JR鍛冶屋線(廃)

この辺りだけ道幅が不自然に広く取られているので、一瞥してかつての駅があった場所とわかります。ちなみにここにある市設置のマンホールには日本列島をモチーフにしたゆるキャラ?が描かれています。西脇市が標準時子午線(東経135度線)と北緯35度線のちょうど交点に位置する「日本のへその町」であることに由来しているのでしょう。市内には日本へそ公園というスポットもあり、地理オタク的にはどこかそそられるものがある地域です。

 

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西脇駅跡を過ぎるとすぐに郊外路線の色が強くなっていきます。かつての路盤は県道になっており廃線跡の面影は薄いですが、道そのものは西脇市駅からの遊歩道と連続しており地図上で鍛冶屋線の通っていたルートを辿ることは容易です。

 

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県道が通る橋の名称が「鉄道橋」のまま残っていたりと、所々で鉄路の残り香を感じられました。

 

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西脇の次の駅、市原駅跡です。記念館として整備されていますが、この日は生憎の閉館日…ちゃんと調べてから行けばよかったですね。

 

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■市原 いちはら -JR鍛冶屋線(廃)

実際に鍛冶屋線で活躍した車両が屋外に展示されています。ただ、どういう経緯か地元の小学生たちによってペイントが施されたとのことで、往時の見た目ではなくなってしまっています。地域学習の対象として廃線を取り上げるのは素晴らしいですが、文化財の実物を損ねるようなやり方はちょっと…と考えてしまいました。

 

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■羽安 はやす -JR鍛冶屋線(廃)

市原から次の羽安(はやす)駅跡までは再び遊歩道となっていました。この駅も市原と同様にホームが残存しています。

 

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説明書きもあります。この辺りで住所表記は西脇市から多可郡多可町へ。

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■曽我井 そがい -JR鍛冶屋線(廃)

駅名標の実物が残されています。廃止時期自体はJR化後ではあるものの、駅名標国鉄時代から変わっておらず平仮名主体のモノクロ書式でした。

 

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経営状況は昔から苦しかったのか、存続の危機には立たされ続けてきたようです。ただ、西脇市というそこそこの都市の中心へのアクセス路線だったこともあり、加古川線の枝線の中では利用者は最も多かったというのもまた実態でした。だからこそ交通網から取り残されがちな内陸の盲腸線沿線の自治体にとって住民の足としての鉄道が重要だったのかもしれません。

 

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■中村町 なかむらまち -JR鍛冶屋線(廃)

駅名標は一見本物っぽいですが後付けのレプリカです。汽車型のかわいいベンチがあります。

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■鍛冶屋 かじや -JR鍛冶屋線(廃)

終点の鍛冶屋駅跡に着く頃にはすっかり日も暮れてしまっていました。ここも市原と同じく資料館となっています。ホームと列車が展示されている点も同じですね。

 

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当時の駅名標も。先ほどの中村町駅のものの実物もこちらに移設されています。

次はちゃんと明るい時間帯に来たいですね…全長13.2kmと短めの廃線なので、徒歩のみでの探索もそれほどキツくはなかったです。そのまま西脇市駅行きの終バスで帰途につきました。

 

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県境探訪 イオンモール高の原@京都府木津川市/奈良県奈良市

今回は県境シリーズの中でもかなりメジャーな部類の物件。

 


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京都と奈良の府県境にまたがる広大な敷地を持つイオンモールです。最寄駅の近鉄高の原駅奈良市所在ですが、店舗全体に占める敷地の割合としてはむしろ京都側の面積の方が広く、正式な書類上の所在地も京都府木津川市となっています。

 


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敷地内を横切る県境が利用客にも分かりやすいようにわざわざアピられている点が面白いですね。京都府側と奈良県側の店舗で最低時給違ったりするのかな?

 


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ショッピングフロアに比べるとあまり目立たないですが、駐車場にも県境を示す線が引かれています。画像のオレンジ色の点線がそれです。

ご丁寧にも、駐車場の柱に振ってある番号の下にはしっかり府県名が。何か営業上の意義があるのかは分かりませんが、場内で境界を跨ぐ度にカーナビが「京都府に入りました」「奈良県に入りました」を連呼する様は想像するとなかなかシュールそうです。

岩国の石人形とニンギョウトビケラ

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山口県岩国市の錦帯橋周辺では、厄除けのお土産や郷土玩具として「石人形」なるものが売られています。

 


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昔から城下町岩国を代表する伝統工芸品ですが、ひとつひとつの人形は人間が作ったものではなく、その正体はニンギョウトビケラという水生昆虫が川底の砂利を自らの吐く糸で縫い合わせて作った巣。流れの速い清流の岩に固着する形で、主に付着藻類を食べて生活しています。水中生活をするのは芋虫のような幼虫期のみで、羽化すると小さな蛾のような姿になります。

ニンギョウトビケラという昆虫自体は、良好な水質が保たれている川であればかなり普通に見られる生き物です。写真のように、錦帯橋の下を流れる錦川の河原でも簡単に見つけることができます。ことこの界隈では治水のために錦帯橋に埋められ人柱となった少女の生まれ変わりという伝承があり、大自然と人間との関わりを背景に育まれた民話の流れをくむ工芸品として親しまれるに至っています。

 


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岩国市街方面から錦帯橋を隔てた錦川右岸にある岩国石人形資料館です。入場無料。

数分もあれば一通り見て回れるこぢんまりとした施設ですが、石人形を使った観光客向けのお土産も多数あり、生き物オタクとしても民俗学好きとしても一押しのスポットです。

洋上の白煙・伊豆大島三原山

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明けましておめでとうございます。相変わらずイレギュラーな更新頻度とはなりそうですが、今年も当ブログをよろしくお願いします。

僕はというと元日朝の便で伊豆大島に渡って、離島でのスローな正月を味わってました。今回はその行程のメインディッシュともいえる三原山について。

 


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伊豆大島は、他の伊豆諸島の島嶼と同じく火山島です。太古から続く大地の息吹は温泉や独自の景観など多くの恩恵を齎しますが、直近では1986年に大噴火を起こしていたりと牙を剥くことも多い気まぐれな島。

行政区分では東京都に属するため、境界標やマンホールの蓋などには東京都の紋章が刻まれているほか、島の車は全て品川ナンバーとなっています。

 

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島の北端に近い岡田港の風景。

伊豆大島の玄関口となる港は元町・岡田の2か所あり、その日の海象によって当日の朝にフェリー発着港が決定されます。三原山登山口行きのバスも、当日の発着港から出発します。

 


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真っ黄色のバスに揺られ、岡田港から30分足らずで登山口に到着。

ちょっとした土産物屋や茶屋もあり、溶岩無料テイクアウトという太っ腹?なサービスが目を引きます。中に空洞が多く軽いため、パッキングに余裕があれば是非貰っていっちゃいましょう。

 

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この辺りから三原山内輪山の山体が一望できます。基本的には見渡す限りの荒野ですが、ところどころで椿が自生しています。

 


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数は少ないものの、登山道の脇には急な噴火から身を守るための避難壕が鎮座します。因みに、同じく活火山である霧島山系でも同様の構造物が見られます。

 


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1時間ほど歩き、外輪山と火口を隔てる急坂を登り切ると、下界の眺望に優れる内輪山沿いの尾根道に到達。周辺には三原神社の鳥居や水準点があります。

 


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海と荒野の織りなす風景を堪能しながら歩を進めましょう。南側には伊豆諸島の島々が見えてきます。一番手前の円錐形の島が利島 (としま) です。

 


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三原山の最高峰・三原新山の頂上付近には、熱気の噴出口の名残としてチムニー状の構造が見られます。すり鉢状の巨大な火口はこの辺りで最も間近に見ることができます。

 


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内輪山の東側、黒々とした火山灰が一面に広がる裏砂漠。実は日本で唯一の正式な「砂漠」なのです。

 

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果樹園の敷地のような小径を抜けると、三原山温泉に到着。約2時間半、8kmほどの道のりです。露天風呂で気持ちよく汗を流してから、岡田港へ戻るのでした。