なまずのねどこ

ちょっとオタク寄りな旅の記録。B級スポットとか県境とか駅とか魚捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。

琵琶湖の黒い至宝を求めて


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更新するするといいつつサボってて申し訳ないです。ねんじんです。

連日のように酷暑が続きますね。こんな時は水と戯れるに限りますね!というわけで(?)お盆真っ最中の15日に琵琶湖に素潜りに行ってきました。

 

今回の狙いは琵琶湖固有のカワニナ(Biwamelania)類。琵琶湖淀川水系固有種に限定しても約18種(型)がおり、世界有数の古代湖である琵琶湖の悠久の歴史のなかで多様な種分化を遂げた、まさに琵琶湖が誇る至宝たちなのです。

 

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やってきました、約2年ぶりの琵琶湖。時が経つのは早いものです。

懐かしい風景。

 

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(湖岸に打ち上げられていたナガタニシ Heterogen longispira 生体)

 

シュノーケルをつけて潜り、湖底を這っている貝を目で探りながら拾っていきます。

 

琵琶湖西岸から北岸東側にかけて何箇所か潜り、最終的には大変満足のいく成果を出すことができました。

 

主な戦果たち

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カゴメカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) reticulata

今回の目玉。琵琶湖産カワニナ類の中でも最も深場を好む種類。分布域は広いですが北湖では基本5m以深にしか生息しないので、水圧で耳を痛めながら水面と湖底をひたすら往復する始末…そうでもしないと生体を得ることは難しいのです…

 

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ビワカワニナ亜属の一種 Semisulcospira (Biwamelania) sp.

見た目はカゴメカワニナに似た個体が多く深場を好む点でも共通しているのですが、胎児殻(カワニナ類は胎生です)の大きさや形状が明らかに異なります。ハベカワニナに良く似た個体もおり形態変異は大きいです。

 

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クロカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) fuscata

琵琶湖北岸の一部水域にのみ局地的に分布する種ですが、個体数密度は高く採集は難しくありません。殻表は平滑ですが、薄い縦肋を示すハベカワニナとの中間型のような個体もいます。

 

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モリカワニナ Semisulcospira (Biwamelania) morii

私が個人的に一番好きなカワニナです。その重厚な見た目には惚れ惚れします。北岸を中心に分布する貝ですが、いるところにはそれなりの個体数がいるようです。

 

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(北岸某所で採集したモリカワニナたち)

 

悪天候の中でしたが濃い時間を過ごすことができ、良い採集でした。同行いただいた西村氏、なめこ氏、にょろきん氏の御三方に心より感謝申し上げます。