なまずのねどこ

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廃線遺構巡り 関西鉄道大仏線(大仏鉄道)


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訪問日:2018年1月30日

 

1898年4月に開業し僅か9年で廃止となった “幻の鉄道” 大仏鉄道こと関西(かんせい)鉄道大仏線の遺構を先日見にいってきました。

 

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大仏線の路線図と現在見られる主な遺構。

加茂~奈良間の9.9kmを結んだ短い路線ですが、路線名にもなった大仏駅は名古屋・四日市方面から東大寺大仏殿や奈良市街へアクセスする際のターミナル駅として重要な役目を果たしました。しかし、加茂から木津を経て奈良に至る後の国鉄関西本線のルートが完成すると、急勾配を多く抱え所要時間的に分が悪い大仏線の役割は薄れ1907年11月に廃止となるに至ります。

今回はそんな大仏線の遺構を奈良駅側から巡ってみました。

 

奈良市総合案内所

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JR奈良駅脇にある、昭和初期の奈良駅舎を改修した風格ある建物です。ここからスタート。

 

 

佐保川橋梁跡

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佐保川にかかる下長慶橋、その脇の川底にレンガ製の橋脚跡が残ります。

 

 

大仏鉄道記念公園

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かつてこの場所に大仏駅がありました。平成4年に作られたこぢんまりとした公園で、銘板には大仏線の歴史について記されています。

 

 

黒髪山トンネル跡

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この辺りの廃線跡は現在の県道44号線となっています。大仏線内でも勾配のきつい難所として知られましたが現在は切通しとなり往時の面影は見られません。

 

 

鹿川隧道

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県道44号線を潜る形で存在する遺構。農業用水路として現役で用いられており、奈良市側では唯一のトンネルの遺構です。特徴的な花崗岩(御影石)の石積みのトンネルでアーチ部分の内壁はレンガとなっています。

 

 

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この辺りから京都府へ突入。県境近くに巨大な螺旋形の取水塔があります。

 

 

関西鉄道社章レプリカ

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レンガを並べて作られた、関西鉄道の社章レプリカ。遺構ではありませんが、大仏線にまつわるスポットとしては面白いので載せておきました。

 

 

松谷川隧道

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鹿川隧道と同じく水路の通り道として使われていた隧道。赤と黒の色の違うレンガから構成されています。迫石は花崗岩製。

現在は使われておらず柵がしてあり中には入れませんが、隙間から中を覗くことは可能です。

 

 

赤橋

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花崗岩と煉瓦から成る橋。なんと現在も生活道路として用いられています。保存状態も良く大仏線の遺構の中でも代表的なものです。

 

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赤橋を上から見た様子。100年以上前の昔、この路盤に鉄路が走っていたと思うと感慨深いものがありますね。

 

 

梶ヶ谷隧道

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アーチ部分含む上部はレンガ、下部が花崗岩の石積みで造られている隧道。レンガの赤が鮮やかで保存状態もすこぶる良いです。

 

 

鹿背山橋台

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こちらは間に水路が通してある花崗岩の石積みの橋台。上部には枕石を備えています。

堅固な作りで重厚感があります。

 

 

観音寺橋台

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すぐ後ろはJR関西本線。手前が大仏線の観音寺橋台の遺構です。

ここも石積みの橋台。橋台として造られたのはほぼ同時期のようですが、100年以上も前の廃線と現役線が並んで見られる点で面白いスポットですね。この地点のすぐ加茂側で関西本線と合流する形をとるので、大仏線の遺構はここまでとなります。

 

 

C57SL

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大仏線とは無関係ですが、すぐ横の関西本線を通っていた蒸気機関車の展示。昭和12年製で「貴婦人」の名で親しまれました。解説板もあります。

 

 

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加茂駅に到着。大仏線の遺構巡りはここまでです。

オマケ的なネタがまだ少しあるのですが、それはまた後日…

今日も閲覧ありがとうございました。