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大回り乗車の最長経路について@大阪近郊区間 2019年度版


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なかなか遠出できそうにないのでちょっとした小ネタを。

本日3月16日にJR6社のダイヤ改正が実施され、JR西日本管内ではおおさか東線が延伸開業しましたね。今回の話題はそのおおさか東線の開業が大阪近郊区間内における "大回り乗車" に及ぼす影響についてです。

 

JRには、大都市近郊区間(東京・仙台・新潟・大阪・福岡)内において普通乗車券or回数乗車券で利用する場合、実際に乗車した経路に関わらず最短経路で運賃を計算するという特例があります。この制度を利用し、一筆書きの要領で長い方の経路を選択して乗車する方式が俗に言う "大回り乗車" です。

原則として途中で改札を出ることができない、エリア外にまたがる利用はできないといった制約があるので、大都市近郊区間内で完結し、なおかつ一度通った駅を二度通らないというのが基本のルールです。ただ、いくら不正乗車にあたらないとはいえJR側が想定している利用方法を超越しているという批判も多いため、大回り乗車をした旨を大々的に吹聴するのはちょっと憚られるのも現状ですね。

 

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おおさか東線・(放出-)鴫野-新大阪間開通後の大阪近郊区間の概略図です。この範囲内で最長の経路について考察していきたいと思います。

 

①尼崎駅とその隣駅の扱い

大回り乗車のルート選定におけるキーとも言える駅が尼崎駅です。というのも、尼崎を境に西側のルートが実質2通り(立花→加古川→谷川→塚口、またはその逆)しかないためです。

そのため、なるべく総距離を長く取ろうとなると、尼崎の隣駅(立花or塚口)からスタートし尼崎の隣駅(塚本or加島)でゴールする(またはその逆)という条件に従うことになります。

尼崎駅と隣駅との距離は、立花が3.0km、塚口が2.5km、塚本が4.3km、加島が2.2kmです。このうち最短の組み合わせである塚口加島が始終着駅となります。

 

②環状路線の扱い

区間内には環状の路線(∴2通り以上のルートが取れる路線)がいくつもあります。そのうち(大阪環状線を除いて)最も外側にあるのが

山科-(湖西線)-近江塩津-(北陸本線)-米原-(東海道本線)-山科

京都-(東海道本線)-草津-(草津線)-柘植-(関西本線)-木津-(奈良線)-京都

奈良-(桜井線)-高田-(和歌山線)-王寺-(関西本線)-奈良

天王寺-(関西本線)-王寺-(和歌山線)-和歌山-(阪和線)-天王寺

の4つですね。この外側(山科-近江塩津-米原-草津草津-柘植-木津奈良-高田高田-和歌山-天王寺)が最長ルートとして確定します。

天王寺から北の大阪環状線は、現時点で西九条→大阪or鶴橋→京橋の2通りのルートがありますが、ここは保留としましょう。

木津-奈良間では天王寺を経由できないため、自動的に木津-放出-久宝寺-奈良というルートが確定します。

 

③京都-加島、尼崎-天王寺のルート選定

京都から南、奈良線にルートを取るとそのまま木津で先ほど確定したルートにぶつかってしまいます。よって京都-新大阪が確定します。新大阪から加島まではおおさか東線・鴫野・JR東西線経由がこれまで選んだ路線と接しない唯一のルートのため、これも確定です。

先ほど保留とした天王寺以北尼崎までについて、2通りのルートのうちこれまで選んだ路線と接しないのは西九条・大阪経由のみです。

 

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これらの条件により、上のルートが完成します。

3月16日のダイヤ(土日ダイヤ)で実際に行程をシミュレーションしてみましょう。

 

塚口 6:05発─普通 福知山行き→谷川 7:32着

谷川 7:42発─普通 西脇市行き→西脇市 8:12着

西脇市 8:24発─普通 加古川行き→加古川 9:09着

加古川 9:22発─新快速 敦賀行き→大阪 10:13着

大阪 10:24発─紀州路快速 和歌山行き→和歌山 11:54着

和歌山 12:55発─普通 奈良行き→奈良 16:13着

奈良 16:24発─直通快速 新大阪行き→放出 17:02着

放出 17:25発─快速 木津行き→木津 18:19着

木津 19:07発─大和路快速 加茂行き→加茂 19:13着

加茂 19:24発─普通 亀山行き→柘植 20:17着

柘植 20:20発─普通 草津行き→草津 21:15着

草津 21:23発─新快速 長浜行き→長浜 22:10着

長浜 22:18発─普通 敦賀行き→近江塩津 22:41着

 

そう、実はこの最長ルート(塚口→加島)、ダイヤの関係上終電までにゴールできないのです。これは逆の行程で試してみても同じでした。

 

 f:id:nenjin:20190316223336p:plainでは、発着駅を立花と塚本に変更したこのルートならどうでしょうか。

 

立花 6:03発─普通 西明石行き→芦屋 6:13着

芦屋 6:15発─快速 網干行き→加古川 7:11着

加古川 7:17発─普通 西脇市行き→西脇市 8:15着

西脇市 8:19発─普通 谷川行き→谷川 8:50着

谷川 9:09発─特急こうのとり8号 新大阪行き(※)→尼崎 10:14着

尼崎 10:24発─普通 四条畷行き→鴫野 10:46着

鴫野 10:53発─普通 新大阪行き→新大阪 11:06着

新大阪 11:20発─新快速 敦賀行き→近江塩津 13:02着

近江塩津 13:07発─新快速 姫路行き→草津 14:22着

草津 14:57発─普通 柘植行き→柘植 15:40着

柘植 15:42発─普通 加茂行き→加茂 16:35着

加茂 16:41発─大和路快速 天王寺行き→木津 16:47着

木津 16:56発─快速 新三田行き→放出 17:47着

放出 17:56発─普通 久宝寺行き→久宝寺 18:12着

久宝寺 18:16発─快速 奈良行き→奈良 18:45着

奈良 19:25発─普通 王寺行き→高田 20:12着

高田 20:18発─快速 五条行き→五条 20:47着

五条 20:52発─普通 和歌山行き→和歌山 22:18着

和歌山 22:31発─普通 天王寺行き→日根野 23:01着

日根野 23:02発─関空快速 天王寺行き→天王寺 23:36着

天王寺 23:40発─普通 弁天町・西九条方面→大阪 0:00着

大阪 0:13発─普通 西明石行き→塚本 0:16着

(※特急券大回り乗車とも併用可能)

 

こちらはうまく収まりましたね。日は跨いでいますが、終電までなら普通乗車券は効力をもちます。

つまり、行程も含めて実際に可能な大回り乗車の最長ルートは立花→塚本となります。総距離を算出すると748.0kmという結果が出ました。

 

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こちらはダイヤ改正前の大回り乗車の最長経路、総延長738.9kmの内訳です。今回のダイヤ改正で大回りできる距離が理論上9.1km伸びたことになります。

 

以上です。これ実際にやってくれる人おらんかな(他人事)

 

 

追記(4/6)

Twitterの方でご指摘をいただき改めてルートの選定を見直してみたところ、重大なミスを発見しました。

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出発駅を塚口駅に設定した上のルートでも終電までにゴールできるんですよね……しかも特急課金なしで。これによって最長距離が500mだけ伸び、748.5kmになりました。

完全に盲点でした。申し訳ないです。

 

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