なまずのねどこ

ちょっとオタク寄りな旅の記録。B級スポットとか県境とか駅とか魚捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。

手軽に歩ける廃線・福知山線旧線(生瀬~武田尾) 武庫川渓谷の廃線跡を辿る


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京阪神地区で気軽に廃線巡りができる場所として真っ先に挙げたいのが、武庫川に沿うように走っていた福知山線廃線区間です。前に紹介した大仏線の廃線跡奈良市街から至近という点では "推せる" んですが、奈良から県境を越えて京都府の加茂まで10km以上の道のりを歩くことになるのでかなり疲れるんですよね。

 

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トレッキングの起点となる生瀬(なまぜ)駅は宝塚から電車で1駅、大阪駅からも30分ほどでアクセスできる交通至便の地です。ここから廃線敷を武庫川沿いに北上し、同じ福知山線(JR宝塚線)の武田尾駅を目指します。

 


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福知山線旧線は西宮と宝塚の市境に沿ってはいるものの、市街地から六甲山系を隔てた北側にあるため、夙川などの高級住宅街や甲子園球場のある一般的な西宮のイメージからはかけ離れているかもしれません。ここ生瀬駅もやはり西宮市に位置しています。

 

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生瀬駅を出てから廃線敷の起点までの間には随所にこのような案内図が掲げられているため、迷うようなことはないでしょう。

 

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途中、福知山線(新線)の盛り土を突っ切る形で細いトンネルが貫いています。これも旧線の名残のひとつです。

 


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国道176号線が坂を登る辺りから廃線敷が北に伸びています。右は突き当たりの様子。

起点にはハイキングコースの大まかな案内板がありますが、福知山線旧線に関する情報はほとんどありません。

 


武庫川渓谷廃線跡ハイキングガイド[歩いて学ぶ トンネル・鉄橋・自然]

このような詳細なガイドも用意されているので、事前に購入しておくのも手でしょう。

 

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付近にはこんな注意書きもあります。武庫川の急峻なV字谷の谷底を通る都合上落石は本当に多いらしく、実際にガレ場のようになっている場所もちらほら。

またトンネル内は昼でも薄暗いため、懐中電灯を持参するのが無難です。荒天時に探索するのも控えたほうがいいでしょう。

 


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まだ枕木の跡が残る廃線跡を、武庫川を横目に見つつ歩いていきます。

 


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1つ目のトンネルをくぐる辺りにはぽつぽつと古い石組みの構造物や錆びた梯子が見られます。おそらくは保線関係の設備として使われていたものでしょうが、その役目を終えて30年以上が経った今では自然に還りつつあるようです。

 

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生瀬側から見て1つ目のトンネル「北山第1隧道」。なかなか立派なトンネルですね。

 


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中はこのような感じでかなり暗いです。おまけにぬかるんでいる箇所もあるので要注意です。

 


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しばらくは武庫川に付かず離れずという形で道なりに進みます。訪問時は1月だったこともあり、ところどころ雪もありました。

 


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2つ目のトンネル「北山第2隧道」の出入り口。前の隧道とは異なり、周縁部にはレンガ積みの構造が見られます。

 


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小規模なトンネル。壁面に印された刻印は1958年というかなり古いものでした。

 


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都市部からそう遠くないとはいえやはり山間部、氷柱もあちこちからぶら下がっています。

 


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崖の真下はすぐ水面、というような場所を廃線跡は通っていきます。枕木もはっきり残されていて、これぞ廃線!といったところです。というかこんなところによく鉄道通したなぁ。

 


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当時のまま残る24キロポスト。平たく言えば尼崎からちょうど24kmの地点ということで、こんな渓谷沿いの山の中であっても近郊地区だということを実感させてくれます。

その武田尾側には積まれた木材がありました。なんでしょうね。

 


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先ほどの小さいトンネルを除くと3つ目の「横溝尾隧道」。無骨な隧道を抜けると赤い鉄橋(第2武庫川橋梁)が見えます。

今回紹介する廃線区間唯一の橋で、この橋こそが西宮市と宝塚市のちょうど境界でもあります。

 


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4つ目のトンネル「長尾山第1隧道」を抜け、武庫川が大きくカーブする地点に差し掛かりました。

 


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どう見ても川には降りれそうにないですが親水公園?らしい。この辺り、武田尾一帯は桜の名所みたいです。満開の頃にまた行ってみたいですね。

 


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そのままレンガ積みの2つのトンネル「長尾山第2隧道」「長尾山第3隧道」を抜けます。左の画像なんか、まさに土砂崩れせんとする現場ですね……

 


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ほどなくして細い橋が見えてきます。武田尾駅はもうすぐそこです。


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生瀬駅から約2時間かけて武田尾駅に到着。ホームの南側は橋の上、北側はトンネルに突き刺さっているすごい構造の駅です。

列車は15分に1本やってくるので、帰るもよしこのまま武庫川沿いに探索を続けるもよし。

 

以上、廃線探索のススメでした。