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引き続き北東パスを使って旅を続ける。札幌を発ち、次に向かうはサケのふるさと千歳水族館。
外観だけならよくある地方の淡水魚水族館といった感じだが、ここの真髄は中で見られる魚の "展示方法" にある。
館内を一通り眺め終えて奥に進むと千歳川に面した観察窓があり、産卵のため遡上するサケたちを間近に見ることができた。そう、"野生の川魚" を横から観察できる日本でも有数の激アツ水族館なのである。
もちろん普通の水族展示も必見であるし、それも軒並みトラウト好きには垂涎ものといって差し支えないのだが、いかんせん野生のサケを見られる水族館というインパクトが強すぎてそれすら霞んでしまうのだ。
こちらはヤマメ。太公望の憧れ、渓流の女王も北の大地の流れではもはや普通種といって差し支えない。サクラマスはこの魚の降海型(サケのように海に下って大きく成長する個体群)であり、ここでも春にその姿を拝めるという。
ウグイ、エゾウグイ。海でも川でも飽きるほど見かけるオールラウンダー。複数種が混在する群れで行動する。
見物を終え、千歳川の支流でしばし魚捕り。ここでも顔を出すヤマメのほか、フクドジョウやイバラトミヨといった本州では考えられない面々と戯れる。ガサガサではお馴染みのコイ科やハゼ科などが少ない分、北方系の魚種がそのニッチに入り込むケースが多い印象だ。
さて、その足でさらに東へ向かう。今は亡き夕張行きの普通列車は半数ほどがこの千歳始発となっていた。室蘭本線と交わる要衝・追分からは、沿線で幾度も先ほどの千歳川を跨ぐ山岳路線の様相を呈する。
終点の夕張駅は訪問済であったため、一つ手前の鹿ノ谷駅で下車。
炭鉱町の鄙びた一支線の小集落に不相応にも思える立派な構内と駅舎を持つ。かつて野幌(のっぽろ)を介して札幌方面とを結んだ夕張鉄道との乗換駅であった名残である。現在は夕鉄バスとして地域住民の足を担っている。
折り返し、この年度限りで廃止となった東追分駅を訪問。現在は、駅設備等も撤去され原野に佇む信号場となっているようだ。