先月中旬に登ってきた薩摩富士こと開聞岳についてです。その美しい山容を買われ日本百名山のひとつとなっていますが、標高は1000mに満たない単独峰であり名声の割に登頂の敷居は低い山だと思います。
他の九州島内の百名山の例に漏れず火山活動によって生成された山で、周辺の至る所で温泉が湧き出たり麓の砂浜ではカンラン石(ペリドット)が産出したり…と産業や文化に齎す恩恵も多く、薩摩半島南部のシンボル的存在となっています。
登山口へのアクセスはJR指宿枕崎線の開聞駅から。簡素なホームに屋根だけが設けられた無人駅です。
運行本数はかなり少ないです。鹿児島中央方面からの直通列車があるのは魅力ですが、遠方からだと指宿近辺に宿を取った上で便数の多いバスをチョイスする方が得策かも。
円錐形の山容を正面に見据えつつ登山口へ向かいます。途中で横切るJRの踏切はその名も「登山」踏切。日田彦山線の「爆発」踏切に勝るとも劣らないインパクトのあるネーミングです。
麓から頂上までは一本道なので、トイレ休憩等は登山口で済ませておきます。
海風が吹きつけるせいかさほど植生は密ではなく、木々の途切れる地点ではところどころで長崎鼻(薩摩半島最南端にあたる岬)が拝めました。写真は五合目にて。
登山道の脇でセンチコガネを発見。これまた火山によって形づくられた洞穴なんかも横目に見ることができます。自然の恵みを味わいつつ歩を進めましょう。
麓から2時間ほどで登頂。標高924m。ほぼ0m地点から登ることになるため勾配はややきついですが、山頂付近の絶景には疲れも忘れて見入ってしまいます。
ひとしきり堪能した後は一気に下ってしまいましょう。七合目付近には足場のよくない剥き出しの岩場もあるので注意です。
下山後は、以前も記事にしたオリビンサンドを拾って帰りました。適当に浜の砂を掬うだけでもかなりの量が含まれているのでお土産にも悪くないですね。