なまずのねどこ

ちょっとオタク寄りな旅の記録。B級スポットとか県境とか駅とか魚捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。

啓蟄の北海道クルマ旅 おまけ


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旅行記のおまけ。道中で出会った愉快な生き物たちを紹介していきます。

 

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1日目、豊浦漁港で釣れたエゾメバル。地方名はガヤ。

北海道では非常によく釣れる魚です。竿を持って渡道したのはこれで3度目ですが、いずれも旅の道中で必ずこの子と出会っています。本州におけるメバル(アカメバルクロメバルシロメバル)のポジションですが、メバルよりずっと釣りやすいと思われます。「ガヤガヤうるさいくらい獲れる」が由来なくらいですしね…

 

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2日目、海岸でのガサガサで採集したコクチクサウオ。ころころとしたフォルムで水族館の人気者になっているダンゴウオに近い仲間です。

この大きさでも成魚で、クサウオ科の中ではかなりの小型種。尾鰭と背鰭が分離していることでクサウオやエゾクサウオと判別できます。こちらも主に北海道近辺の浅海に分布する魚です。他にはニジカジカなどの海産カジカ類も多く見られました。

 

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3日目、留萌市の礼受漁港で釣ったヌマガレイ。海風が激しく吹きつける厳しいコンディションの中で釣れてくれた価値ある一尾でした。

他のカレイ科の魚と異なり両目が体の左側を向いているうえ、特徴的な縞模様をもつため一目でそれとわかります。「左ヒラメに右カレイ」の数少ない例外ですが、海外では右向きのヌマガレイも普通にいるようです。河川にも侵入することからカワガレイの別名をもつユニークなカレイです。

 

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5日目、網走市の海岸で捕獲したクリオネハダカカメガイ)。2017年にも野生のクリオネを見たい一心で同じ時期に来たことがあるのですが、その際は空振りに終わったため、4年ぶりの雪辱を果たした形です。とはいえようやく捕れた個体も衰弱しており、岸近くに打ち上げられた僅かな流氷の陰に漂っているのみだったので、最盛期は過ぎていたのでしょう。

"流氷の天使" の異名で地域の象徴として愛されるのみならず、流氷が融ける時期には魚の餌となることで豊かな漁業資源を支えています。「殻のない貝」という点ではナメクジと同じなのに、人間界での扱いには天と地ほどの差があるのが切ないです。ナメクジも可愛いよ…

 

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屈斜路湖畔の和琴半島で撮影したオオハクチョウ

湖畔の温泉水が流れ込む浜辺に佇んでいました。和琴半島には自然観察路があり、ゴジュウカラコゲラなど小型の鳥類も数多く飛び交っていました。キタキツネも見かけたのですが、すぐに逃げられ撮影には失敗…

 

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6日目、大樹町の旭浜漁港で釣れたエゾバイ

旭浜トーチカ群訪問の後、30分ほど竿を出した際にかかってきました。肉食性の貝なので、餌を水底で放置していると普通に釣れるようです。横でチカを狙っていたお爺さんもこの貝を大量に釣っていました。魚は両者ともにボウズでした…

 

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7日目、河川下流域にてたも網で捕ったブラウントラウトの幼魚。外来種です。

北海道では平地でも普通に見られるヤマメに交じる形で、数個体が捕れました。ある意味北海道らしい魚ではありますが……他のサケ・マス類との競合や捕食による生態系への影響が懸念されている種の一つです。ただ、茶色の体にアマゴのような赤い斑点が散りばめられた渋い見た目で、個人的には好きな魚です。

 

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同じくたも網でのガサガサで捕獲したエゾハナカジカ

感潮域に入っていそうな河川下流域の石の陰に潜んでいました。日本国内では北海道のみに分布するとされ、北海道のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。黄色い腹鰭には、黒く細かい縞模様が入っています。

 

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水路にて捕獲したヤリタナゴ

もともと北海道にタナゴ類は分布していませんが、ここには国内外来種として生息していました。青森県までは自然分布する種なので、繁殖に必須となる二枚貝が生息しているという条件さえ満たせば、寒冷地に対する順応性は高いのかもしれません。

 

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胆振地方某所の温泉地に生息するコクチモーリー。見ての通りthe 熱帯魚といった出で立ちで、左が雄、右が雌です。

北海道という寒冷地ながら、温排水により生存・繁殖を可能としています。温排水なしでは生きていくことすらできないため、分布域は温泉地周辺の水路に限られているものの、当地での生息密度は高く、網で容易に採集できます。観賞用のものが放流され定着したと思われますが、このような限定的かつ特殊な生息環境のため在来の生態系に対する影響は殆どなさそうです。