なまずのねどこ

ちょっとオタク寄りな旅の記録。B級スポットとか県境とか駅とか魚捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。

二上山のサファイア

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先日ガーネットを採取した奈良県二上山コランダム(サファイア)です。

0.3〜0.4mmほどと非常に小さいです。鮮やかな青色をしている上に透明なのであればすぐ分かりそうに思えるんですが、なかなか見つからないんですよね……双眼実体顕微鏡があればなぁ。

 


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ガーネットの方は相変わらずよく採れますね。磁石にくっつく性質があるので、100均なんかでも売ってる強力なネオジム磁石を使って集めるといい感じです。

綺麗な赤色の石(砂)なので、手芸とかに活用してみても面白いかも。

 


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県境探訪 関門人道トンネル@山口県下関市/福岡県北九州市門司区

関門橋(関門自動車道)、関門トンネル(国道2号線)、関門トンネル(山陽本線)、新関門トンネル(山陽新幹線)…などと、本州と九州を結ぶ陸路はいくつかありますが、それらの中で歩行者や自転車の通行が許可されているのは唯一『関門人道トンネル』のみです。したがって、本州(下関)と九州(門司)を徒歩か自転車で行き来する場合、必ず通ることになるルートなんですよね。

 

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下関側の人道トンネル入口付近から見た対岸・門司の街並み。下関や幡生といったJRの駅からはかなり遠いので、基本的にバスでアクセスすることになります。

壇ノ浦の戦いの舞台としても有名で、それを示す石碑や案内板などがあちらこちらに立っています。

ここからエレベーターで地下に潜ったところがトンネルの起点になります。自転車何台も載せられるようなやたらでかいエレベーターです。

 

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下関側の起点。

『↑門司』の案内にも唆られるものがありますが、この人道トンネルも正式にはあくまで国道2号線の一部だというのもなかなか面白いですよね。

まぁ、車が通る方の2号線本線は有料道路なので、当然といえば当然なんですが…

 

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トンネルのほぼ中間地点には県境が引かれています。フグとタコのキャラクターが可愛いですね。

海を隔てた本州と九州の境界線で、なおかつ徒歩や自転車でアクセス可能という唯一無二の存在。本州と四国を結ぶ道路の中でも人の足で県境を跨げるのはしまなみ海道(多々羅大橋)安芸灘とびしま海道(岡村大橋)のみなので、全国でも珍しい『歩いて行ける海域の県境』のうちの1つでもあるのです。

 

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あっという間に門司側の端(終点)です。海峡といってもトンネルの長さ自体は1kmにも満たないので、15分もあれば渡れるでしょう。

 

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門司側からの眺望。訪れた日は快晴で、下関のランドマークでもある『海峡ゆめタワー』もはっきりと見ることができました。

 

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人道トンネル門司側のアクセスに便利なのは関門海峡めかり駅です……が、いかんせん名目上は観光用の鉄道なので、運転日が決まっており本数も多くありません。

運休日の場合は門司港駅からバスに乗りましょう。

"愛すべき雑魚" ネンブツダイを食す

西南日本の内湾でいわゆる "外道" としてよく釣れる魚にネンブツダイがいます。

雌の産んだ卵を雄が口内保育する子煩悩な魚で、その際に口をモゴモゴ動かす習性が念仏を唱えるように見えたことから名付けられたとか。

 

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御真影

実際に釣り人からネンブツダイと呼ばれる魚は本家ネンブツダイの他にも数種類いて、同じテンジクダイ科に属するクロホシイシモチオオスジイシモチなどがそれに当たります。

鹿児島湾 (錦江湾) なんかだとむしろクロホシイシモチの方が個体数も多くメジャーですが、似たような赤い小魚を引っくるめてネンブツダイキンギョと呼ぶ方が多いです。

 


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こちらは混称としての "ネンブツダイ" の中では割とレアキャラなコスジイシモチと、同じテンジクダイ科のクロイシモチ。クロホシイシモチと同じようなポイントで釣れ、なおかつ生態も似ているクロイシモチですが、彼らをネンブツダイと呼称する例を私は聞いたことがありません。色がかなり違いますしね。

あくまで 『小物狙いでよく釣れる赤っぽくて筋模様のある小魚』が "ネンブツダイ" という認識の人も多いのでしょう。この記事では以後『ネンブツダイ類』と称することにします。

 

綺麗な暖色系の色をした愛らしい小魚たち、という印象ですよね。見た目だけは。

しかし、実際はアジやサバ狙いのサビキ釣りにおいて真っ先に餌に食いつく釣り人の悩みのタネでもあります。

酷い時には堤防の上で何十匹ものネンブツダイ類が干からびている悲惨な光景に出くわすことも…。必要のない殺生をする人間に釣り人を名乗る資格はないとつくづく思います。故意に生き物を殺すのが許されるのは基本的に生きるため(食用、工業などの原料)、生かすため(餌料)、学ぶため(研究)。これ釣り以前の問題ですよ。

 

閑話休題、今日はこの愛すべき魚たちを如何にして有効活用するかというお話です。

前述のように、釣り人のネンブツダイ類に対する評価はお世辞にも肯定的なものとはいえません。そこそこ強い引きに期待していざリールを巻けば、釣り針に連なったネンブツダイ類…というのは実際なかなか落胆ものです。

そこで出てくるのがやはり食用という選択肢。1匹1匹の魚体は小さくても、数さえ釣れれば良いご飯のお供になります。

 

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鹿児島湾某港にて、とある春の日の釣果。ネンブツダイ類 (クロホシイシモチ、コスジイシモチ) とホシササノハベラという貧果ですが、彼らを使って美味しい料理を作りましょう。(これ以降ベラは登場しませんが、唐揚げにて賞味しました。これもまた美味い。)

 

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まず材料から。

・頭、鱗とはらわたを取ったネンブツダイ…約30匹

・玉ねぎ…1個

・生ショウガ…半分(おろしでも可)

・ピーマン…1個(なくても可)

・乾燥唐辛子…2〜3個(なくても可)

・片栗粉…50g

◎砂糖…50g

◎塩…小さじ1

◎醤油…100cc

◎酢…200cc

◎水…100cc

・油…適量

・美味しく食べてやるという誓い…∞

 

さて、ここまで用意できたところで作り方へ。

まず魚の頭と鱗を取ります(ここ重要)。えらぶたの背中側から体高の半分ほど包丁を入れ、頭を引っ張ればあら不思議。はらわたごと取れちゃいます。はらわたが少し残ってしまったら指で丁寧に取りましょう。鱗もピーラーの要領で尾鰭側から親指の爪を滑らせると取ることができます。簡単でしょ?

ビニール袋で揉んで魚に片栗粉をまぶします。小麦粉でもいいですが、ちょっともっさりした食感になります。

熱した油で揚げましょう。きつね色になれば漬け頃です。

材料の◎を混ぜた漬けダレに魚を投入します。

薄くスライスした玉ねぎ、生ショウガ、ピーマンを乗せ、砕いた乾燥唐辛子をまぶします。

食べ頃になるまで待ちます。私は半日以降経ったものが味もよく染みていて好きです。

ネンブツダイ類の南蛮漬け、完成!

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南蛮漬けって、基本的に小魚だからこそできる芸当なんですよね。

定番の小アジの南蛮漬けはもちろん美味しいですが、ぜいご(稜鱗)が硬かったり、ウロコ取りに難儀したり、はらわた取るのに手間がかかったり。

これらに関して言えば完全にアジの上を取っているんですよね。ネンブツダイ類はちゃんと役に立つ魚なんですよ!味も遜色ないし!もちろんアジの南蛮漬けも美味しいですよ…?

 

釣りをしていても外道のネンブツダイ類しか釣れなくてイライラ、みたいなことはあると思います。しかし、彼らを陸に放置するくらいなら、もっと実のある形でその命を頂きましょう。

奪った命は最後まで最大限役に立たせてあげるのが、釣り人…いや、人間としての使命だと私は思います。

 

以上、ネンブツダイ(類)と彼らを活用したレシピの紹介でした。ぜひ試してみて下さいね!

県境探訪 暗峠@大阪府東大阪市/奈良県生駒市

昨日の話ですが、関西随一のいわゆる『酷道』として知られる国道308号線暗峠 (くらがりとうげ) を歩いてきました。いろいろと面白いものが見られたので適当に綴っていこうと思います。

 

大阪と奈良を結ぶ国道308号線の(バイパスを含まない)本線のうち、府県境の生駒山地越え区間が俗に言う『酷道』にあたります。

険しい山道にありがちなつづら折りの急曲線こそ少ないものの、単純に道幅が狭すぎる行き違いや転回がまるでできない、そして何より車道にあるまじき急勾配など、さまざまな要素が重なった結果現代版・難攻不落の要塞としてその名を馳せている峠道なのです。

 

さて、いざ暗峠を越えんとやってきたのは近鉄奈良線・枚岡駅。


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路地裏に無理やり作ったみたいな駅舎ですね……

まぁこの辺りは近鉄の線路のすぐ東側から急勾配になるような地形ですし、駅の設計上で制約が出るのも仕方ない……たぶん。

 

この駅の東口から徒歩で奈良(生駒市)側に向かいます。

駅を降りてまず正面に見えるのが枚岡神社

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立派な神社ですが、今日はスルーです。

 

線路沿いに北進すると、すぐにコンクリート舗装の道路にぶち当たります。


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これを右へ曲がりましょう。

 

そう、これこそが酷道308号線。登り始めから既に一般的な国道のイメージとは程遠い独特な雰囲気を醸し出しています。

ちなみに先に言っておくと、この円い溝が並んだコンクリ舗装は、峠の頂上付近まで続きます。勾配が急すぎてアスファルトが敷けないんだとか。

 

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所々に、ここは国道だと言わんばかりに標識が立てられています。しかし、一般的な "おにぎり" 型の国道標識ではなく、長方形のプレートに印字した簡易的なものです。

 

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勾配の急さに半ばうんざりしつつ登っていくんですが、時々後ろを振り返ると住宅や木々の合間に広大な大阪平野を一望できます。

街の営みを上から眺められるってのは登山の大きな楽しみの一つですよね(登山じゃないけど)。心なしか気分も晴れやかになった気がします。

 

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さて、登るにつれてだんだん狭くなっていく道幅。ついに『走行注意』の看板が出てきてしまいました。どこをどう注意しろっちゅーねん!w

この辺りになると車が行き違いできるスペースすらかなり限られてくるので、どちらかが引き返すほかないのでしょう。

 

さらに足を進めます。


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この辺りは今回辿った区間では珍しく急カーブを描いている箇所なのですが、どうやらここが308号線で最も勾配の急な場所のようです。

試しにiPhoneの水準器で測ってみると、斜度は30°。因みに、この日登ってきた近鉄の線路脇から暗峠頂上までの平均斜度を計算すると17.0°でした。

メジャーな富士登山のルートのうち急傾斜で知られる富士宮ルートの平均斜度が18.2°ですから、それと同等の勾配を車で登る人がいると考えると相当な根気と労力が必要そうです。

 

歩き始めて1時間が経とうかという頃、急に周りが開けてきました。民家もまばらながら見えます。コンクリの道路は石畳に……?

 

そうです。この場所こそが暗峠

やったね。

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ボロボロの『奈良県生駒市』の県境標識がとても輝いて見えました。

とりあえずここらでひと休み。

 

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奈良県側から眺めてみます。何故か大阪府側だけにある英語表記。

 

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この暗峠の石畳は江戸時代の参勤交代の際から続く貴重な文化遺産で、そもそも石畳の国道というのが日本でも唯一のものだとか。

日本の道100選』に選ばれるのも納得ですね。

 


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暗峠の石碑のすぐ脇から細い登山道が伸びていますが、これは生駒山の山頂に向かうルートのようです。

行ってみたい気持ちもありましたが、今回は『酷道踏破』を優先してそのまま麓に降りることにしました。

 

峠を越えて奈良県側に下っていくと、道路状況もかなりマシになってきました。

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「全然普通の道や!車も奈良側から登れば問題ないやん!景色も割と綺麗やし」

 

 

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……とか思った矢先のこれですからね…やっぱり酷道酷道でした。

 

 

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下る途中でよく目にしたのが小麦の段々畑。茶や果樹なんかと違って、小麦は平地での栽培が主だと思っていたんですが、その辺はどうなんでしょうね?

 

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そんなこんなで奈良側の麓、南生駒まで降りてきました。

結局奈良県側の308号線(酷道区間)にまともな国道標識は一つも見当たりませんでした。


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青看や逆方面にはあるのに……

 

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理論上の歩行距離と高度の変化はご覧の通りです。やはりというかなんというか、見るからに大阪側の勾配のキツさが際立ってますね……

 

というわけで、こんな感じの県境探訪、というか酷道探訪でした。

今日も読了感謝です。

 

二上山のガーネット

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奈良県西部・二上山麓で採取したガーネット (柘榴石) です。

ほとんどが1mm前後の小粒ですが、根気よく選別すればかなりの数を得ることができます。

 

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採り方としては、まず川から掬った砂をザルにかけて大きめの砂や礫を取り除きます。

大きいガーネットの粒がザルに残っていないか気にはなるので、一応その都度確認しましたが、ギリギリ通り抜けられないくらいの粒が2個あった程度でした。

 

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次に、水流に晒して泥をある程度流します。ガーネットは比重が大きいため、流れずに容器の底に溜まりやすいのです。

あとは砂ごと蓋つきの容器に入れて持ち帰るだけですね。

 

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さて、ここからはガーネットを選別する作業。濃い赤色で透明感のある粒なので非常に分かりやすいです。

強い光を当てながらの作業がおすすめです。僕はヘッドライトで照らしながらやってました。

水と砂を入れたバット (野球じゃない方) を軽く揺すってやると、上の画像のように重い粒が隅っこに溜まりやすいんですね。主にここを狙います。

 

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選別結果です。50ccほどの砂から雑にピックアップしてこれくらいの量になりました。

楽しいんですけど、割と目が疲れますね…

 

久しくやってなかったんですが、鉱物採集もなかなか面白いものですね。

こういう予定を組み込んで各地を旅するのもいいかも。

 


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県境探訪 江島大橋@鳥取県境港市/島根県松江市

今日はCMなどで話題となり "ベタ踏み坂" として名を馳せた鳥取県境港市/島根県松江市江島大橋についてお話しましょう。行った時期自体は昨年8月で、結構前の話になってしまいますが……

 

まずは山陰観光の玄関口のひとつ、米子駅からJR境線 (『境港線』ではない) に乗り、途中の米子空港駅で下車。


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公共交通機関なら、ここからバスで江島大橋のたもとまで向かうことになります。

境港市コミュニティバスはまるーぷバス』は乗車1回100円。どのJR駅からも江島大橋までが遠く、着いてからも長い橋を歩いて渡る必要があることを考えると、かなり良心的な価格設定といえます。

降りるバス停は『山陰アシックス工業前』か『渡町八区北口』が近いですね。

 

興醒めなことを言いますが、鳥取県側から見ると正直「え、普通の橋やんか」という感想を抱いてしまいました。登り始めても別に勾配が急すぎるとかでもなく、当初はせいぜい「ちょっとデカい橋」という程度の印象なんですよね。

ただ実際、海抜ほぼ0mの地点から大型船が安全に橋を抜けられるほどの高さまで登るので、高低差はかなりあります。勾配は橋自体が長いので気にならなかっただけかもしれませんね。

 

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途中で島根と鳥取の県境を跨ぎます。

こういうの見ると何故かテンション上がっちゃいますね。

 

そんなこんなで島根県側に降り立ちます。記念にパシャリ。

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江島は工業地帯の島なので、意外と交通量が多いです。横断歩道では車に気をつけて撮影しましょうね(実際に『写真を撮るために車道に留まったり三脚を置くな』という旨の警告の張り紙があります)。

 

再び江島大橋を渡って鳥取県側に戻るんですが、行きと同じルートをとるのもつまらないので境港の市街に寄ってから帰ることにしました。

 


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奥の巨大な建物は境港フェリーターミナル。隠岐などに向かう便が就航しており、境港駅とも直結しています。

せっかくなので港町を堪能すべく『海とくらしの史料館』にも行こうと思ったのですが、あいにくの休館日。鬼太郎列車に乗って境港を後にするのでした。

廃線遺構巡り 高千穂鉄道線(日之影温泉〜川水流)

訪問日:2018年12月13日

 

十数年前まで、宮崎県北部の中心都市・延岡と神話の里・高千穂を結ぶ鉄道路線が存在していました。その名も高千穂鉄道高千穂線

2005年秋の台風で甚大な被害を受け運行休止、3年後にそのまま廃止になってしまうという悲運の鉄道です。

そんな高千穂鉄道廃線跡 (一部区間) を、昨年12月に徒歩で巡ってきました。

 


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日豊本線延岡駅からバスに揺られること約1時間。西臼杵郡日之影町の中心駅だった日之影温泉駅跡から歩き出します。

ちなみに延岡から日之影まで乗客は私1人でした。平日の昼だったとはいえ、これにはちょっとびっくりしましたね。

 


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そこそこ大きな駅舎なので、廃止後の今もバス待合所や温泉施設として活用されています。

高千穂鉄道の廃車両を利用した小さなコテージ(?)もあり、高千穂観光と併せて泊まりに来ても面白そうですね。

 

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五ヶ瀬川の激流が形作ったV字谷の中腹にへばりつくような日之影の集落。

ここから東 (延岡方面) に向けて歩いていきます。

 

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渓谷美を堪能しつつ4kmほど歩くと、橋の上から高千穂鉄道の路盤を見ることができるポイントがありました。

ここから少し進むと、日之影温泉からみて最初の駅・吾味駅に到着です。

 


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駅のすぐ真裏を五ヶ瀬川が流れるロケーション。かつてレールが引かれていた路盤は、道路に転用されています。

 

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駅舎内に保存されていた廃止当時の時刻表。ひときわ目を引くのが延岡駅での乗り換え列車欄の『京都行き』ですね。

当時はまだ運行していたんですよね、寝台特急彗星。

 


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吾味駅跡から少し進むと、ほどなくして大きな赤い鉄橋が見えてきました。正式名称は『第3五ヶ瀬川橋梁』らしい。廃線後は遊歩道として活用されています。

一方で、右のように当時のレールが残されたままの遊歩道区間もかなりあるようです。

 


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2つ目の駅・日向八戸駅跡に到着。

駅裏に公民館が併設されていますが、ホームや路盤の保存状況は前の吾味駅に似ていますね。

 


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途中で川沿いの県道を離れて山の手に寄ってみると、滝がありました。

小規模ながら美しい滝ですね……魚オタの癖で池に魚影を探してみるも、残念ながら何も見えず。

 


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今日3駅目、槇峰駅跡。『槇』は旧字体

現役の駅舎と言われても納得してしまいそうな見事な保存状態。こういったローカル線では、壁掛け型の駅名標が割と珍しかったりしますしね。

 


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ホーム全景と、自立式駅名標

真ん中のイラストが駅ごとに違うって面白いですよね。JR九州駅名標イラスト意識でデザインされたんですかね?

 

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日之影町延岡市の境を結ぶ槙峰大橋と、五ヶ瀬川の渓流。その間にレールが伸びています。

個人的にはこの旅で見た中で一番好きな風景ですね。

 


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延岡市に突入。途中、川の対岸に亀ヶ崎駅跡を見ることができます。駅名標の枠とホームは辛うじて残されていますが、その他の鉄道設備はなさそうですね…

 

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次の駅に着く前に五ヶ瀬川の河原に降り、干支大橋をバックに撮影。

槇峰や亀ヶ崎周辺は岩礁が多かったですが、ここは砂の河原です。こうして見ると五ヶ瀬川ってかなりバラエティに富んだ流れ方してますよね。

 


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5駅目、早日渡駅跡。右の駅名標は何故か町の集会所のようなところに貼り付けてありました。枠ごと倒れでもしたのかな?

 


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上崎駅跡。隣の早日渡駅からは約5kmあり、徒歩で1時間ちょっとかかりました……しんどい。

ここも駅の保存状態は悪くないです。路盤は農道に転用されています。

 


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上崎 - 川水流間は台風による被害が特に多かったようで、今でも崩落したまま放置された崖や橋などを見ることができます。

 

東臼杵郡北方町 (現 延岡市北方町) の中心・川水流駅跡に到着して行程は終了。

高千穂鉄道営業キロでは日之影温泉から川水流まで20.5kmですが、軽く3〜40kmは歩いた気がする……

 

読了ありがとうございました。