3日目(4/29)
この日は広島県内でゴギとアマゴ狙い。
広島市街から安芸太田町方面へ向かう国道191号沿いには、かつて島根県境に近い三段峡までJR可部線が走っていましたが、2003年に可部から先が廃止となっています。
廃線跡巡りも好きなので、ちょびちょび立ち寄りながら山奥の釣り場を目指します。
13時過ぎ、太田川水系のとある渓に到着。
美しい藤の花が出迎えてくれました。
コンビニおにぎりを腹に詰め込み、いざ入渓。
昼下がりの微妙な時間ですが、どうでしょうか。
しかし、遡れども遡れどもアタリはなし。
ミミズ、ブドウ虫、川虫と3種類の餌を試しましたが、ダメでした。
至近距離でヤマカガシに鉢合わせてビビったことで心が折れ、夕マズメを前にして撤収しました。情けない…
このままでは終われないと、車を転がして適当に見つけた川に入ってガサガサ。
なんとかチビアマゴの姿を見ることができました。広島まで来てこのサイズのアマゴで喜んでいる俺って…
日没後、島根県に移動し、吉賀町の道の駅「むいかいち温泉」で車中泊。
中国道六日市ICからほど近く、道の駅には珍しく夜10時くらいまで営業しているため、車中泊の拠点としては言うことなしです。
4日目(4/30)
夜明け前に起床。
この辺りは高津川水系の上流部にあたり、山道を走ると自然度の高い渓流が次から次へと姿を現します。
川沿いの林道に車を停めてエントリー。
最初は平坦な渓相でしたが、源流へと遡るにつれ段差や大岩が現れ、「いかにもイワナ」な雰囲気になってきました。
慎重にミミズを流していくと…魚信!
出ました!待望のゴギです。
美しい朱色のお腹が水面から姿を現した瞬間の興奮といったら、それはもう筆舌に尽くし難いものでした。
用意したケースに入れて観察。
背中の白斑が頭の先まで達するのが分かりやすい特徴です。(もっとも、ニッコウイワナにもこの特徴が出る個体はいるようです)
尾鰭上葉が欠けていますが、それ以外は傷などもなく完璧なプロポーション。ゴギとしてのアベレージサイズといえる18cmほどの個体でした。
釣りを始めて30分も経っていなかったように思いますが、この1匹を釣っただけで完全に満足してしまい、そそくさと退渓しました。
本当に美しい魚だった…たまにこういう出会いがあるからこそ、何回ボウズを食らっても惜しくないと思えるんですよね。
呆気なくゴギとの対面を果たした後は、里川でガサガサを楽しみました。
カワヨシノボリ(斑紋型)。
川底の石をひっくり返すと結構な確率で飛び出してきます。
山陰や九州の日本海側で見られるカワヨシノボリの一型で、西南日本の広い範囲で見られる一般的なカワヨシノボリ(無斑型)とは、雄の第一背鰭に青黒い斑紋が入るなど、かなり見た目が異なります。
イシドンコ。
2002年に従来のドンコから分かれる形で新種記載された魚種。結構な急流で石の下から出てきたので、網に入った瞬間は大きめのカジカかと錯覚しました。
島根県と山口県のかなり狭い範囲にしか分布しないご当地魚で、ドンコと比較して体高が低く頭部が扁平であるなどの特徴があります。
アカザ(クレード2)。
カワヨシノボリに混じって1匹が捕れました。前回の記事で滋賀県で出会ったクレード1とは、遺伝的に分化しており、クレード1に見られる体側の白斑がないなど、見た目にも違いがあるようです。
その後は特にやることもなかったので、広島県の県北エリアに移動。道中で適当に見つけた川でガサガサすると、かわいいサイズのギギが入りました。
レアキャラとまではいきませんが、東日本に住んでいると普段はお目にかかれませんし、何よりかわいいので、捕れるとちょっと嬉しくなる魚ですね。
15時頃には県北の中心都市・三次市のホテルにチェックイン。
明るいうちから酒盛りをする余裕がある遠征は久々です。空気を読んで朝一で釣れてくれたゴギ君に、改めて感謝の意を表したいと思います。