なまずのねどこ

B級スポットとか県境とか駅とか魚捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。Twitter→@nen_no_method

淀川の春の風物詩 シロヒレタビラ

だいぶ暖かくなってきたので、淀川にシロヒレタビラを釣りに行ってきました。

 

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婚姻色の鮮やかな雄。惚れ惚れする碧色です。

 

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こちらは別の雄個体。少し痩せてはいますが、これはこれでいい感じですね。

 

例によって写真だけ撮ってリリースです。タモロコやコウライモロコなどの外道もよく釣れました。

 

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現在こそ淀川における彼らの生息環境は保たれていますが、乱獲や都市開発などの魔の手が迫っているのもまた事実で、その行く先は決して楽観視できない状況です。我々一般人にできることは少ないながらも、彼らの楽園を潰してしまうことのないよう、生息地の安易な流布に繋がらないような啓蒙の方向性を模索していくべきだと考えています。

手軽に歩ける廃線・福知山線旧線(生瀬~武田尾) 武庫川渓谷の廃線跡を辿る

京阪神地区で気軽に廃線巡りができる場所として真っ先に挙げたいのが、武庫川に沿うように走っていた福知山線廃線区間です。前に紹介した大仏線の廃線跡奈良市街から至近という点では "推せる" んですが、奈良から県境を越えて京都府の加茂まで10km以上の道のりを歩くことになるのでかなり疲れるんですよね。

 

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トレッキングの起点となる生瀬(なまぜ)駅は宝塚から電車で1駅、大阪駅からも30分ほどでアクセスできる交通至便の地です。ここから廃線敷を武庫川沿いに北上し、同じ福知山線(JR宝塚線)の武田尾駅を目指します。

 


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福知山線旧線は西宮と宝塚の市境に沿ってはいるものの、市街地から六甲山系を隔てた北側にあるため、夙川などの高級住宅街や甲子園球場のある一般的な西宮のイメージからはかけ離れているかもしれません。ここ生瀬駅もやはり西宮市に位置しています。

 

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生瀬駅を出てから廃線敷の起点までの間には随所にこのような案内図が掲げられているため、迷うようなことはないでしょう。

 

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途中、福知山線(新線)の盛り土を突っ切る形で細いトンネルが貫いています。これも旧線の名残のひとつです。

 


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国道176号線が坂を登る辺りから廃線敷が北に伸びています。右は突き当たりの様子。

起点にはハイキングコースの大まかな案内板がありますが、福知山線旧線に関する情報はほとんどありません。

 


武庫川渓谷廃線跡ハイキングガイド[歩いて学ぶ トンネル・鉄橋・自然]

このような詳細なガイドも用意されているので、事前に購入しておくのも手でしょう。

 

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付近にはこんな注意書きもあります。武庫川の急峻なV字谷の谷底を通る都合上落石は本当に多いらしく、実際にガレ場のようになっている場所もちらほら。

またトンネル内は昼でも薄暗いため、懐中電灯を持参するのが無難です。荒天時に探索するのも控えたほうがいいでしょう。

 


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まだ枕木の跡が残る廃線跡を、武庫川を横目に見つつ歩いていきます。

 


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1つ目のトンネルをくぐる辺りにはぽつぽつと古い石組みの構造物や錆びた梯子が見られます。おそらくは保線関係の設備として使われていたものでしょうが、その役目を終えて30年以上が経った今では自然に還りつつあるようです。

 

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生瀬側から見て1つ目のトンネル「北山第1隧道」。なかなか立派なトンネルですね。

 


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中はこのような感じでかなり暗いです。おまけにぬかるんでいる箇所もあるので要注意です。

 


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しばらくは武庫川に付かず離れずという形で道なりに進みます。訪問時は1月だったこともあり、ところどころ雪もありました。

 


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2つ目のトンネル「北山第2隧道」の出入り口。前の隧道とは異なり、周縁部にはレンガ積みの構造が見られます。

 


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小規模なトンネル。壁面に印された刻印は1958年というかなり古いものでした。

 


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都市部からそう遠くないとはいえやはり山間部、氷柱もあちこちからぶら下がっています。

 


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崖の真下はすぐ水面、というような場所を廃線跡は通っていきます。枕木もはっきり残されていて、これぞ廃線!といったところです。というかこんなところによく鉄道通したなぁ。

 


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当時のまま残る24キロポスト。平たく言えば尼崎からちょうど24kmの地点ということで、こんな渓谷沿いの山の中であっても近郊地区だということを実感させてくれます。

その武田尾側には積まれた木材がありました。なんでしょうね。

 


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先ほどの小さいトンネルを除くと3つ目の「横溝尾隧道」。無骨な隧道を抜けると赤い鉄橋(第2武庫川橋梁)が見えます。

今回紹介する廃線区間唯一の橋で、この橋こそが西宮市と宝塚市のちょうど境界でもあります。

 


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4つ目のトンネル「長尾山第1隧道」を抜け、武庫川が大きくカーブする地点に差し掛かりました。

 


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どう見ても川には降りれそうにないですが親水公園?らしい。この辺り、武田尾一帯は桜の名所みたいです。満開の頃にまた行ってみたいですね。

 


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そのままレンガ積みの2つのトンネル「長尾山第2隧道」「長尾山第3隧道」を抜けます。左の画像なんか、まさに土砂崩れせんとする現場ですね……

 


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ほどなくして細い橋が見えてきます。武田尾駅はもうすぐそこです。


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生瀬駅から約2時間かけて武田尾駅に到着。ホームの南側は橋の上、北側はトンネルに突き刺さっているすごい構造の駅です。

列車は15分に1本やってくるので、帰るもよしこのまま武庫川沿いに探索を続けるもよし。

 

以上、廃線探索のススメでした。

 

青春18きっぷと快活CLUBで日本縦断は可能か

予約いらず、価格が低廉ということから長旅で宿泊費を抑えるのに重宝するネットカフェ。その数あるネカフェの中でもサービスが充実しておりコスパもよいのが快活CLUBです。シャワーや無料モーニングなど至れりつくせりで、僕もよくお世話になっています。

全国チェーンなので各地に点在しており、上手く旅程を組めば全泊快活CLUBなんて芸当も可能です。それ故に貧乏学生の強い味方・青春18きっぷとの相性は抜群なのですが、今回は移動は青春18きっぷ+宿泊は快活CLUBという条件下で日本縦断(JR最南端・西大山駅〜JR最北端・稚内駅)は可能なのかを検証してみたいと思います。

 

まず1日目。西大山から九州を北へ突っ切る形になります。

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ダイヤ上は徳山まで行くことができます。山口県内の山陽本線沿いには下関長府店・防府店の2店舗があるので、終点の徳山に近い防府に宿をとりましょう。

 

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2日目は防府から関西を越えて東へ。結構な大移動です。途中の名古屋までは同一行程ですが、名古屋からそのまま東海道本線で進むか、中央本線に進路をとるかで宿泊地が変わってきます。東海道本線を選択する場合は17号高崎倉賀野店(群馬県)・牛久栄町店(茨城県)・蕨東口駅前店(埼玉県)など、中央本線を選択する場合は篠ノ井線平田駅に近い松本南店(長野県)などが候補に上がります。首都圏は比較的ダイヤに余裕があるため、3日目に所要時間の最も短い高崎・新潟経由のルートを取るならば神奈川県や東京都内の店舗も視野に入ります。

 

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3日目は関東から北上するルートです。宿泊地によって4通りのルートが可能ですが、最終的な宿泊地は秋田駅近くにある秋田広面店に絞られます。これは青森県に快活CLUBの店舗がないことに因ります(2019年3月現在、快活CLUBが1店舗もない都道府県は青森県高知県のみです)。かといって岩手県側から18きっぷでアクセスしようとすると翌日の青森港10時丁度発函館港行きのフェリーに間に合わなくなってしまうので、秋田県側に宿をとる以外の選択肢がないのです。

秋田県内の快活CLUBの店舗としては他に秋田牛島店がありますが、やはり始発で最寄り駅(羽後牛島駅)を出ても青森に着くのは昼前になるので候補外です。

 

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4日目。いよいよ北海道に渡ります。北海道新幹線奥津軽いまべつ木古内間には青春18きっぷのオプション券(2300円)で乗ることができますが、青森から函館に抜けるにはダイヤ上の制約が多すぎるため津軽海峡フェリーを使います。青森港から函館港まで2220円なのでオプション券より更に安上がりです。函館港最寄りの五稜郭駅から2回乗り継ぐと日が変わる前に札幌に到着できます。宿泊地は札幌駅南口店のほか、旭川寄りにある森林公園駅近くの厚別東店も候補に入ります。

 

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最終日。札幌駅を始発で出ても稚内に到着するのは日が暮れた後になります。北海道は広いですね。旭川から稚内まで抜けられる列車は午前と午後に各1本ずつしかないので、途中で1回でも列車を逃すと即ゲームオーバーです。

 

というわけで快活CLUB信者による18きっぷ旅行ルート考察でした。言うまでもなくネカフェに布団なんてないため、4連泊もすると鈍行列車で蓄積された尻の肉がもげるような痛みが取れないほどには疲れます(経験談)。

それと今更ですが西大山駅に宿はありません。出発前は西大山よりさらに奥にある枕崎で泊まるのが安定でしょう。実行される方は自己責任で。

大回り乗車の最長経路について@大阪近郊区間 2019年度版

なかなか遠出できそうにないのでちょっとした小ネタを。

本日3月16日にJR6社のダイヤ改正が実施され、JR西日本管内ではおおさか東線が延伸開業しましたね。今回の話題はそのおおさか東線の開業が大阪近郊区間内における "大回り乗車" に及ぼす影響についてです。

 

JRには、大都市近郊区間(東京・仙台・新潟・大阪・福岡)内において普通乗車券or回数乗車券で利用する場合、実際に乗車した経路に関わらず最短経路で運賃を計算するという特例があります。この制度を利用し、一筆書きの要領で長い方の経路を選択して乗車する方式が俗に言う "大回り乗車" です。

原則として途中で改札を出ることができない、エリア外にまたがる利用はできないといった制約があるので、大都市近郊区間内で完結し、なおかつ一度通った駅を二度通らないというのが基本のルールです。ただ、いくら不正乗車にあたらないとはいえJR側が想定している利用方法を超越しているという批判も多いため、大回り乗車をした旨を大々的に吹聴するのはちょっと憚られるのも現状ですね。

 

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おおさか東線・(放出-)鴫野-新大阪間開通後の大阪近郊区間の概略図です。この範囲内で最長の経路について考察していきたいと思います。

 

①尼崎駅とその隣駅の扱い

大回り乗車のルート選定におけるキーとも言える駅が尼崎駅です。というのも、尼崎を境に西側のルートが実質2通り(立花→加古川→谷川→塚口、またはその逆)しかないためです。

そのため、なるべく総距離を長く取ろうとなると、尼崎の隣駅(立花or塚口)からスタートし尼崎の隣駅(塚本or加島)でゴールする(またはその逆)という条件に従うことになります。

尼崎駅と隣駅との距離は、立花が3.0km、塚口が2.5km、塚本が4.3km、加島が2.2kmです。このうち最短の組み合わせである塚口加島が始終着駅となります。

 

②環状路線の扱い

区間内には環状の路線(∴2通り以上のルートが取れる路線)がいくつもあります。そのうち(大阪環状線を除いて)最も外側にあるのが

山科-(湖西線)-近江塩津-(北陸本線)-米原-(東海道本線)-山科

京都-(東海道本線)-草津-(草津線)-柘植-(関西本線)-木津-(奈良線)-京都

奈良-(桜井線)-高田-(和歌山線)-王寺-(関西本線)-奈良

天王寺-(関西本線)-王寺-(和歌山線)-和歌山-(阪和線)-天王寺

の4つですね。この外側(山科-近江塩津-米原-草津草津-柘植-木津奈良-高田高田-和歌山-天王寺)が最長ルートとして確定します。

天王寺から北の大阪環状線は、現時点で西九条→大阪or鶴橋→京橋の2通りのルートがありますが、ここは保留としましょう。

木津-奈良間では天王寺を経由できないため、自動的に木津-放出-久宝寺-奈良というルートが確定します。

 

③京都-加島、尼崎-天王寺のルート選定

京都から南、奈良線にルートを取るとそのまま木津で先ほど確定したルートにぶつかってしまいます。よって京都-新大阪が確定します。新大阪から加島まではおおさか東線・鴫野・JR東西線経由がこれまで選んだ路線と接しない唯一のルートのため、これも確定です。

先ほど保留とした天王寺以北尼崎までについて、2通りのルートのうちこれまで選んだ路線と接しないのは西九条・大阪経由のみです。

 

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これらの条件により、上のルートが完成します。

3月16日のダイヤ(土日ダイヤ)で実際に行程をシミュレーションしてみましょう。

 

塚口 6:05発─普通 福知山行き→谷川 7:32着

谷川 7:42発─普通 西脇市行き→西脇市 8:12着

西脇市 8:24発─普通 加古川行き→加古川 9:09着

加古川 9:22発─新快速 敦賀行き→大阪 10:13着

大阪 10:24発─紀州路快速 和歌山行き→和歌山 11:54着

和歌山 12:55発─普通 奈良行き→奈良 16:13着

奈良 16:24発─直通快速 新大阪行き→放出 17:02着

放出 17:25発─快速 木津行き→木津 18:19着

木津 19:07発─大和路快速 加茂行き→加茂 19:13着

加茂 19:24発─普通 亀山行き→柘植 20:17着

柘植 20:20発─普通 草津行き→草津 21:15着

草津 21:23発─新快速 長浜行き→長浜 22:10着

長浜 22:18発─普通 敦賀行き→近江塩津 22:41着

 

そう、実はこの最長ルート(塚口→加島)、ダイヤの関係上終電までにゴールできないのです。これは逆の行程で試してみても同じでした。

 

 f:id:nenjin:20190316223336p:plainでは、発着駅を立花と塚本に変更したこのルートならどうでしょうか。

 

立花 6:03発─普通 西明石行き→芦屋 6:13着

芦屋 6:15発─快速 網干行き→加古川 7:11着

加古川 7:17発─普通 西脇市行き→西脇市 8:15着

西脇市 8:19発─普通 谷川行き→谷川 8:50着

谷川 9:09発─特急こうのとり8号 新大阪行き(※)→尼崎 10:14着

尼崎 10:24発─普通 四条畷行き→鴫野 10:46着

鴫野 10:53発─普通 新大阪行き→新大阪 11:06着

新大阪 11:20発─新快速 敦賀行き→近江塩津 13:02着

近江塩津 13:07発─新快速 姫路行き→草津 14:22着

草津 14:57発─普通 柘植行き→柘植 15:40着

柘植 15:42発─普通 加茂行き→加茂 16:35着

加茂 16:41発─大和路快速 天王寺行き→木津 16:47着

木津 16:56発─快速 新三田行き→放出 17:47着

放出 17:56発─普通 久宝寺行き→久宝寺 18:12着

久宝寺 18:16発─快速 奈良行き→奈良 18:45着

奈良 19:25発─普通 王寺行き→高田 20:12着

高田 20:18発─快速 五条行き→五条 20:47着

五条 20:52発─普通 和歌山行き→和歌山 22:18着

和歌山 22:31発─普通 天王寺行き→日根野 23:01着

日根野 23:02発─関空快速 天王寺行き→天王寺 23:36着

天王寺 23:40発─普通 弁天町・西九条方面→大阪 0:00着

大阪 0:13発─普通 西明石行き→塚本 0:16着

(※特急券大回り乗車とも併用可能)

 

こちらはうまく収まりましたね。日は跨いでいますが、終電までなら普通乗車券は効力をもちます。

つまり、行程も含めて実際に可能な大回り乗車の最長ルートは立花→塚本となります。総距離を算出すると748.0kmという結果が出ました。

 

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こちらはダイヤ改正前の大回り乗車の最長経路、総延長738.9kmの内訳です。今回のダイヤ改正で大回りできる距離が理論上9.1km伸びたことになります。

 

以上です。これ実際にやってくれる人おらんかな(他人事)

合成地名についての考察

市町村合併などの際に命名の折衷案としてよく用いられるのが合成地名。要は2つ以上の地名から一部をそれぞれ持ち寄って生まれた新しい地名のことで、明治/昭和/平成の大合併の際には多くの合成地名が生まれました。

合併による合理化が一区切りついている現状を鑑みると、合成に起源をもつ自治体名が今後大幅に増えるなどというシチュエーションは考えにくいです。が、駅名や高速道路のインターチェンジ名なんかに2つ以上の地名を組み合わせて採用するケースは未だに多く、それが二次的に地名として波及することも多いわけです。

 

さて、合成地名にもいろいろなパターンがあります。まずはその構成や成因について整理していきましょう。

 

①連称

合併後の市町村名などの折衷案としては最も無難な選択肢といえそうなパターン。「◯◯」+「✕✕」→「◯◯✕✕」という至極分かりやすい形ですね。駅名などに採用される合成地名の大半もこれです。

例としては

・山陽町 + 小野田市 → 山陽小野田市山口県

三方町 + 上中町 → 三方上中郡福井県

那須(栃木県北東部) + 塩原(温泉) → 那須塩原駅東北新幹線、後に市名にも採用)

なんかが代表的でしょうか。複数地区の境界上に設置されることの多い地下鉄の駅名にも多く見られる印象です。白金高輪とか野江内代とか。

 

②漢字表記の部分合成

合成地名と聞いてパッと思いつきやすいのがこのパターンでしょう。複数の地名の漢字表記から一部を切り取ってくっつける形です。連称地名と比べると文字数が少なくて済むというメリットはありますが、せっかくの由緒正しい地名を上書きしてしまうような例も多く、その辺りについては賛否両論ありそうです。

有名な例として

・谷 + 久々(菊田) + 鷺津田沼(千葉県)

森 + 蒲大田区(東京都)

分寺 + 川 → 国立駅中央本線、後に市名にも採用)

などが挙げられますね。津田沼のように3つ以上の地名を合成する場合、連称にするには長すぎて現実的とはいえないので、1文字ずつ取るのが安定択といったところでしょうか。

特殊な例に

今金町(北海道。開拓功労者・村藤次郎と森石郎の姓から)

浜岡町静岡県松市と静市の中間にあることから)

竜洋町静岡県。天川と太平に面することから)

のようなものがあります。

なにも「合併元の文字を引き継いだ地名」だけが合成地名というわけではない、という好例たちですね。

 

③ひらがな表記の部分合成

これはかなり少ない部類です。その少ない中の代表的な例を挙げてみます。

・鳥羽 + 吉野 + 新田 + 成相 → 豊科(長野県)

察しのいい方はもう気付きですね。「ば」「しの」「んでん」「りあい」この4つの頭文字をくっつけて漢字を当てたのが豊科、というわけです。合併を経た現在もJR大糸線の駅に名を留めています。

山がちな長野県には段差を意味する「◯科(しな)」という形の地名が多く(例: 蓼科、埴科、浅科)、旧国名である信濃の由来になるほどですが、豊科は合成地名にもかかわらず見事にこれに倣っているのが凄いところですよね。豊かな科野、まるで長野県を象徴するかのような傑作合成地名といえそうです。

まだ面白い例はあります。

・与川 + 三留野 + 柿其 → 読書(長野県)

がわ」「どの」「かきぞれ」の頭を合わせたものですね。そのまま与三柿とせず読書の字を当てるところに命名者のセンスを感じます。読み書きそろばん読書村。

 

④漢字の合成

このパターンもマイナー地名ばかりです。1つだけ分かりやすい例をご紹介しましょう。

上 + 木 + 居 + 樋清哲山梨県

各地名から1文字ずつ取り、それぞれを部首として(水は氵)組み合わせ並べたもの。「せいてつ」と読みます。「哲」という、地名としては珍しい漢字を使っているのがエモいですね。

やはり4つ以上の地名を組み合わせるとなると漢字1文字ずつ持ち寄っても長くなりすぎるためか、この例や前述の豊科のように何かしらの工夫を施して新地名を作り出すケースが出てきます。

 

パターン別に分けるとこんなところでしょうか。複数の地名から文字を引き継ぐという性格上、合成地名の成因としては市町村合併によるものが圧倒的に多いわけですが、それでも津々浦々の地名の中で占める割合はそんなに高くはないんですよね。

地名の合成という文化自体、元来の地名を壊すことに繋がるという指摘もありますが、数多の洒落た地名の起源について遡って探る好奇心は持ち合わせていたいものですね。

JR山野線の廃駅めぐり(薩摩大口・山野・薩摩布計)

鹿児島本線(現・肥薩おれんじ鉄道)・水俣駅から肥薩線栗野駅までを結んでいたJR山野線。1980年代に相次いだ南九州の廃線のひとつです。

先月鹿児島に行った際に一部の駅跡地を訪問してきたので、そのときの様子について書き記しておきます。

 

■薩摩大口 さつまおおくち -JR山野線(廃)


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民営化の日の目を見ずに廃止となった宮之城線との分岐駅で、山野線の中核的な役割を担っていた駅です。画像の駅名標の右側、西菱刈の下が塗りつぶされている点にも分岐駅だった名残が見られます。

駅跡地は跡形もないですが、近くにある大口歴史民俗鉄道記念資料館に当時を偲ばせる品々が展示されています。

 

■山野 やまの -JR山野線(廃)


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路線名の由来になったとは思えないほど辺鄙で小さな駅。伊佐市大口の市街地からそう遠くはないので、バスで訪問するのは比較的容易です。

廃止当時の面影を残す広場は鉄道公園として整備されており、記念碑や駅名標などが残されています。

 

■薩摩布計 さつまふけ -JR山野線(廃)


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熊本県との県境からほど近い山間の小駅。よくこんな場所に鉄道を通したなと思わずにはいられないレベルの僻地にあり、記念碑や駅名標が残されているものの、見つけるのにかなり難儀しました。

伊佐市街地からオンデマンドタクシーで行くか、最寄りの西山野バス停から5kmほど歩くことになります。

 

全ての駅跡を巡れたわけではないので、機会があれば追記しようと思います。

春の東国18切符行軍 Part5 諏訪湖の見える丘

前回の続きです。

 

八王子を出発し、中央本線を一路西へ。

 


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甲府から数えて6駅目の日野春では、ホーム上から南アルプスの山並みを一望することができます。

特急の通過待ちなどで長時間停車することも多いため、立ち寄って損はない駅です。

 


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今回は上諏訪で下車してみました。

駅を出て山の手に諏訪湖を望む絶景スポットがあるということで、期待が高まります。

 


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階段の小径を登っていきます。登山という感じでもないですが、結構長い坂道です。

振り返れば民家の狭間に諏訪湖が見えます。

 


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目的地の立石公園に到着しました。上諏訪駅から歩いて30分ほどですかね。

大きな日時計のある広い公園。観光客は僕一人のようでした。

 


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四方を山に囲まれた盆地に青い水を湛える諏訪湖。その眺望は見事の一言です。

徒歩圏内というにはちょっと遠いですが、わざわざ途中下車して立ち寄る価値は十二分にありますよ。

 


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湖岸まで下りてきました。

成因が同じ断層湖だけあって、景観的には琵琶湖と似通った点が多いです。

 


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駅前の商店街は典型的なシャッター街といった感じです。まぁそうよね…

駅まで戻り、足湯(改札出なくても入れるので長旅にはおすすめ!)で一服しつつ次の列車を待ちました。

 

その後は中央本線経由で名古屋に抜け、京都へ帰還しました。おわり