なまずのねどこ

ちょっとオタク寄りな旅の記録。B級スポットとか県境とか駅とか魚捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。

三重・愛知行脚 Part3 もう一つの軽便鉄道・三岐鉄道北勢線

前回の続きです。

セメント工場を後にして向かったのは阿下喜(あげき)駅。四日市あすなろう鉄道とともに三重県下のナローゲージ鉄道として知られる、三岐鉄道北勢線の終着駅です。

 


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随分手抜…もといエコロジー駅名標ですね……

駅舎は木造で、伸びてきた線路を遮るように設けられたいかにも終着駅らしい構造となっています。

 

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前述したように軌間にはナローゲージが採用されているため、あすなろう鉄道と同じく幅が狭い特殊な車体です。

終点の西桑名までは約1時間の道のり。田園地帯をのんびり走る軽便鉄道の旅を満喫します。

 


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駅名標はどことなく前身である近鉄の旧型を彷彿とさせますが、隣駅表記が2段になっているのが特徴的ですね。前回紹介した三岐線のものと書式は異なるものの、黄とオレンジのラインが入る点では一致しています。

 


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途中の東員駅では、行き違い待ちで10分ほど停車。大半が合併していなべ市となった員弁郡の中で唯一残る東員町の中心駅です。

 


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桑名市街に入るとほどなくして西桑名に到着です。駅舎は桑名駅に隣接しており乗り換えができますが、その名に反して桑名駅の東側にあります。

 

駅のすぐ南には近鉄・JR・北勢線の線路が並行して見られる場所があるとのことで、行ってみることにしました。

 

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見た感じ頭がつっかえそうな(※つっかえません)階段を登り、跨線橋の上からパシャリ。

 


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左から標準軌(軌間1435mm)の近鉄名古屋線狭軌(1067mm)のJR関西本線特殊狭軌(762mm)の三岐鉄道北勢線の順に並んでいます。分かりやすいように色分けしてみました。

それぞれ別の軌間を採用した3つの路線が並走するのは日本ではここだけで、世界的にもレアな部類であるといえそうです。

 

Part4に続きます。

 


発掘 カラー写真 昭和30年代鉄道原風景 西日本私鉄編 (単行本)

三重・愛知行脚 Part2 藤原岳麓のセメント工場を訪ねる

前回の続きです。

四日市まで戻り、急行で1駅の近鉄富田駅へ。ここから北西に伸びるローカル私鉄、三岐鉄道三岐線に乗り換えます。

 


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駅は近鉄のホームを間借りする構造になっていて、駅名標近鉄仕様です。文字が左に寄っているのは、似た書式ではあっても近鉄のようなナンバリングが入らないからでしょう。名古屋方面行きの列車を降りると向かい側に三岐鉄道の列車が止まっていました。

 


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三岐線駅名標。なんとなく東武駅名標を彷彿とさせる…ってのは気のせいですかね。

 


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終点が近づくにつれ、車窓左手に石灰石の採掘で山体がえぐられた藤原岳が間近に見えてきます。右手には後で訪問する太平洋セメントの藤原工場。山を削ることの是非はともかくとして、自然の恵みと地域産業の結びつきをひしひしと感じさせてくれます。

 


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近鉄富田から約50分で終点・西藤原駅に到着です。線路はかなり山麓すれすれを走っているため、滋賀県境までの直線距離はわずか2kmちょっとしかありません。

 

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駅の真裏に聳え立つ藤原岳の壮観は一見の価値ありです。ここですることも特にないので、折り返して2駅戻り、東藤原駅で下車。

 


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ここ東藤原は先ほどのセメント工場の最寄り駅。長閑な農耕地に突如現れる無骨な姿を写真に収めんと思い立ち、降りて散策することにしました。

 


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森の中からニョキッと生え出るような工場。背後の藤原岳には、やはり採掘した跡の縞模様が生々しく残ります。

 

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さらに東に進むと、員弁川(いなべがわ)沿いの広々とした田園地帯から工場の全貌がよく見えます。こういうのが見たかったんですよね。

この辺りまで来ると東藤原駅よりも員弁川対岸にある阿下喜駅の方が近いため、そこから次の目的地に向かうことにしました。

Part3に続きます。

 


写真アルバム 桑名・いなべの昭和 (昭和シリーズ)

三重・愛知行脚 Part1 近鉄八王子線廃線跡巡り

昨日の話です。

近鉄の週末フリーパスを使って、1泊2日の小旅行に行ってきました。例のごとく行き当たりばったりな行程ですが……

 

最寄りから列車を乗り継いで、まず降り立ったのは近鉄四日市

 


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隣接するあすなろう四日市駅から西日野へ向かいます。

四日市あすなろう鉄道は、ナローゲージと呼ばれる非常に狭い軌間を持つ特殊な鉄道。昔から軽便鉄道と呼ばれてきたもので、日本の旅客線では現在わずか3事業者が運行しているのみです。

 

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乗ってみると、より車体の幅の狭さが実感できました。

あすなろう四日市から3駅、8分ほどで西日野に到着。小気味いいモーター音を聞きながらの短い道のりです。

 


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かつては西日野駅からさらに西に向かって線路が伸びていましたが、豪雨による水害の影響で1976年に廃止となっています。終点・伊勢八王子駅から取った八王子線という路線名は、部分廃止や近鉄からあすなろう鉄道への転換を経てもなお変更されていません。

 


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旧西日野駅付近の様子。

廃線跡はほぼ全区間天白川沿いの車道として整備され、往時を思わせる構造物はほとんどありません。駅があった場所を示す看板はありますが…

 


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西へ1kmほど歩くと室山駅跡。線路は天白川と道路の間に挟まれる形で走っていたらしく、増水の影響を受けやすかったようです。

 


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室山は酒蔵の町で、随所に古めかしい建物が残っています。

 


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裏路地の酒蔵に、室山の駅名標が飾られていました。廃止前のもので間違いないようです。

 


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西日野から1.6kmほどで伊勢八王子駅跡に到着。正確には写真の場所よりもう少し奥にあったようですが、私有地となっていて入ることができませんでした。

 


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西日野に戻り、あすなろう鉄道のもう一つの終点・内部駅を訪問。そのまま折り返し、軽便鉄道の独特な雰囲気を楽しみつつ次の目的地へ向かいます。

Part2に続きます。

 


新・鉄道廃線跡を歩く3 北陸・信州・東海編

『原町田』から『町田』へ

閲覧ありがとうございます。やれ九州やらやれ北海道やらと話がコロコロ変わるねんじんです。

今日はタイトル通り『町田』の話題。

 

東京と神奈川のどちらに属するかなどとよくネタになっている東京都町田市ですが、その玄関口たる町田駅が現在の名前になったのは意外と最近なのです。

その語り部たる存在が各線町田駅から北へ徒歩15分ほどのところに鎮座しています。

 

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その名も『まちだのデゴイチ』。

東海地方の国鉄線を中心に活躍していたD51型蒸気機関車が現役引退後、町田市に貸与され大切に保存されているという経緯があるようですね(現地の説明板参照)。

立ち入りOKの範囲内なら、中に入って運転台を見学するなどもできるそうです。ぼっちで行ったので恥ずかしくてやりませんでしたが…

 

往時の名車両がその風格を放つ傍に、少し年季の入った駅名標が展示されていました。

 


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原町田』。

そう、元来の町田駅の名前です。

小田急が1976年に『新原町田』から、国鉄(現JR)が1980年に『原町田』からそれぞれ改称しています。

実際、町田駅の所在地も『東京都町田市原町田』ですしね。現在の町田駅界隈を指す地名として広く認知されてきたのでしょう。

 

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引退になった車両を鉄道遺産として保存し、人々の憩いの場としているケースは田舎の廃線跡などに実際よくありますが、このような試みが東京近郊の街中でなされているのは割と珍しいのではないでしょうか。

市民の方々の理解あっての町田の隠れたシンボル、大切に見守りたいものですね。

 


地域批評シリーズ35 これでいいのか東京都町田市

開聞岳東麓のペリドット

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薩摩富士こと開聞岳の麓、川尻海岸で採取したカンラン石(ペリドット)です。

ペリドットといえば8月の誕生石で緑色のイメージが強いですが、開聞岳の噴火によってもたらされたこの辺りのものは琥珀色をしています。

 


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海岸の砂はかなり黒っぽいですが、ところどころに透き通った黄褐色の粒が見えます。これがカンラン石で、大きなものは2〜3mmあるので肉眼で探して集めるのも容易です。

二上山のサファイアなどと比べるとかなり良心的ですね。

 

惜しむらくはアクセスの悪さ。薩摩半島のほぼ南端にあるので、鹿児島観光のついでに寄るなんてレベルではありません。何kmもキツい登山を強いられるような場所よりはマシですが……

本土最南端の駅、西大山駅が近くにあるのでついでに寄ってみても面白いかも。開聞岳自体が秀麗な山容で観光客に人気なので、それなりの賑わいはあります。流石は百名山、といったところ。

 


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熊本・子飼商店街の昆虫自販機

もう2ヶ月も前の話ですが、日本でも有数(初?)の昆虫自販機が熊本の市街に登場したと聞いて行ってきました。

調理された虫の画像が登場するので、苦手な方はここでブラウザバックをお願いします。一部はもうTwitterに載せちゃってるので遅い気もしますが…

 

くまモンラッピングのかわいい電車が走る熊本電鉄藤崎宮前駅から歩くこと7〜8分。

住宅街に囲まれた商店街のはずれにそれはありました。『北千反畑町公園』の向かいです。すぐ近くにパーキングもあります。

 

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日本初どころか世界初(!)らしいです。バルーンショップの店主さんが設置されたものなんだとか。

昆虫食の文化自体は世界中にありますし、日本でもイナゴの佃煮や蜂の子なんかは有名ですが、それを自販機にするというのもかなり斬新な発想ですね。

私自身タニシやカワニナ、カタツムリなんかを拾って食うような人間なので(※生だと吸虫類や線虫類による寄生虫症の危険があります。真似してもいいけど、ちゃんと熱を通してから食べようね!)こういうのはすごく親近感が持てます。

 

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ラインナップはタガメ、コオロギ、カブトムシ、ケラ(表記はオケラ)…とかなり豊富。一番ゲテモノ感の薄い(?)バッタの詰め合わせは売り切れていました。

店内にはタランチュラやサソリの缶詰も売っているそうですが、あいにく休業日でした。残念。

 

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思わず目が行ってしまう掲示がこれ。

食べ物に"危険度"ってなんや…w

要するに数ある商品の中でもヤバいのがこいつらということなんでしょう。

 


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というわけで、"危険度ナンバーワン"のゲンゴロウ詰め合わせと、逆に一番すんなりいけそうなコオロギプロテインバーを購入。

コオロギの方は透明な筒に入って出てきました。これを店内に持って入るとバルーンが100円オフになるんだとか。うまいことやらはるなぁ。

 

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コオロギプロテインバー。横にある公園で実食。

抹茶味で食べやすいです。「あ、これが虫を砕いた粒なんやろな」みたいな食感はありますが、知らないと分からないレベル。美味しいというほどでもないですが、普通にいけました。

昆虫が健康食として珍重される未来は近い(?)

 

さて、肝心のゲンゴロウ詰め合わせについてです。

水生昆虫としてはスタイリッシュで割と好きな部類なんですが、とてもじゃないですが口に入れる勇気は出ず、長らく家に放置してありました。そして2ヶ月経ってようやく手をつけた、というわけです。

 

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中身です。銀色のパッケージの中にジッパー付きの袋で2重に包装されていました。

パッケージの画像はゲンゴロウですが、似た姿のガムシ類も含まれてました。というかガムシの方が多いかも。

お味の方は……回りくどく言うと "虫臭さを凝縮したような味" 。単刀直入に言うと罰ゲーム、といった感じでした。

脚の付け根なんかは一応ちゃんと "生き物の肉を食べている" 感覚がするんですよ。食感だけエビや魚に似た感じというか。

ただ、やはり甲虫だけあって翅が堅くジャリジャリするのと、単純に泥臭い苦味が後を引いて、お世辞にも美味しいと言えるシロモノではないですね……翅はむしってから食べるべきなのかも。

捨てるのも勿体ないので一応全部食べました。途中からジュースで流し込むみたいになってましたが。誰か褒めてくれ。

 

虫を捕ることはあっても食べるなんてなかなかしないので、いい体験ができたと思います。この自販機、中心街や熊本城からも歩けなくはない距離にあるので観光のついでにでも勇気のあるかたは是非どうぞ。

 


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大岩海岸

海上に浮かぶ津軽エアーズロック……これ、Twitterの方で呟いたこともある内容なんですが、やはり140字で伝えられる内容には限界があるのでこちらでも少し触れておきますね。

 

青森県津軽西部から秋田県北部にかけての海岸線に沿って走るJR五能線千畳敷と呼ばれる独特の海岸線や白神山地へのアクセスで人気を博す、観光色の強い路線です。

その一方で、県境付近は普通列車が極端に少ない人口希薄地域でもあります。肥薩線みたいな路線ですね。

 

そんな五能線を僕が初めて旅した時、いくつかの駅で降りて散策などした中で一際強く印象に残ったスポットが大岩海岸です。

五能線の両端からちょうど中ほどにある深浦駅で1時間半ほど乗り換え待ちをしていた時のこと。ふと地図を見ると、駅の北方に岬のように海に突き出した地形に気づきました。

幸い綺麗な秋晴れの日だったので、「これ岬の先端から日本海の水平線が綺麗に見えるんやろな〜」などと考えつつ駅から歩くこと約10分。

 

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着きました、大岩海岸。

岬ではなく、浅い岩礁帯と歩道で陸地と繋がっている文字通りの大きな岩場でした。

 

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遊歩道入口の看板。ただ深浦に行ってこれに気づく人がどれだけいるのかっていう……

国道と隣接していて車でのアクセスも楽そうです。

 


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大岩に向かって伸びる歩道を渡り終えると、なんと洞窟がありました。自然に作られたものなのか人工的なものなのかは分かりませんが、狭いながらもちゃんと貫通していて冒険心をそそる造形。

 


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洞窟をくぐって岩上に設けられた歩道を上がれば、壮大な眺めが待っています。360°の大パノラマです。

先ほど通ってきた道もしっかり見えますね。

 

こんな魅力的な場所が駅近にあることに驚きました。

深浦駅は五能線のなかでは大きめの有人駅です。乗り換えに待ち時間ができることが多いので、興味のある方は是非行ってみてはいかがでしょうか?

 


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