なまずのねどこ

ちょっとオタク寄りな旅の記録。B級スポットとか県境とか駅とか魚捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。

初夏の愛しの湖国にて 湖の幸と山の幸


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閲覧ありがとうございます。月頭に滋賀県で採集したときの記事です。

 

6月2日、快晴。

湖に潜るにはまだ少し寒いですが、適度に暖かい風が心地よく良い採集日和です。

三重県某駅のロータリーでD君と落ち合い彼の運転で一路琵琶湖畔へと向かいました。

 

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約半年ぶりの琵琶湖。心が洗われる感じがします。

 

琵琶湖本湖と周辺の河川・水路を中心に夕方まで採集してました。以下主な成果。

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オオガタスジシマドジョウ。ひと昔前までスジシマドジョウ大型種といわれていたもので、琵琶湖とその周辺の水域に固有の種ですね。今回は湖岸に注ぐ小河川の河口域で採集しました。

ちなみに左の個体が雄、右が雌です。繁殖期なので全体的に雌のほうがふっくらした体つきですが、雌雄の判定としては胸鰭基底の骨質盤の有無を確認するのが確実でしょう。

 

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ホンモロコ。こちらも琵琶湖固有種。

普段は琵琶湖本湖の沖合で生活していますが、春の産卵期になると接岸・沿岸の用水路などに遡上し産卵します。この個体も湖に繋がる用水路で採集したもの。

既に産卵が終わった後なんでしょう、痩せた個体が多い印象を持ちました。

近縁のタモロコと比べると幾分スマートな体つきで、口ひげは短いです。食用として評価が高い魚で、京都の錦市場なんかで甘露煮をよく見かけますね。

 

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スゴモロコ。琵琶湖固有亜種。

亜種関係にあるコウライモロコと非常によく似ています。眼径や体形などに違いがあるといわれていますが、現状産地を加味しないと正確な同定は難しいです。

他にデメモロコやイトモロコなどよく似た近縁種も。

 

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ゼゼラ。水系固有種というわけではないですが、大津市膳所(ぜぜ)で見つかったことが名前の由来という説があります。

地味な小型の底生コイ科魚類ですが、繁殖期の雄はメタリックな銀色の婚姻色に身を包み、なかなか美しいです。

 

 

さて、夜は陸生貝類が活発になる時間です。

鈴鹿山系のポイントでヘッドライトを頼りに採集。晴れなのであまり期待はできないかなと思ったのですが、こちらもなかなかの成果でした。

 

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イブキクロイワマイマイ 

主に伊吹・鈴鹿山系の山林に生息。木の幹に張り付いてたり岩盤の陰で休んでいたり。

軟体部に黒い筋が入らないのが特徴。大柄なカタツムリですがクロイワマイマイの仲間では比較的小型の種とされています。

 

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ヒラヒダリマキマイマイ

関西では珍しい左巻きのEuhadra(マイマイ)属のカタツムリ。
滋賀県内では伊吹山系や鈴鹿山系などの石灰岩地帯を中心に分布しているようです。

成長脈(殻表の筋)が粗くサイズ以上にごつい印象を与えます。個人的にかなり好みの貝。

 

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ツルガマイマイ

湖岸の岩礁で這っているのをD君が見つけてました。
滋賀県北部や、敦賀の名の通り福井県に分布しています。

この3種は九州に持ち帰って飼育中です。

 

 

夜のカタツムリ探索は宝探しに似た冒険感があって本当に楽しいですね。肝試しにもなりますし。

その他、湖北の某ナマズを釣りで狙ったりしたんですが、明け方まで粘るもデカいビワヒガイやフナが釣れただけで不発に終わりました。時期が少し早かったんでしょうかねぇ…。

 

翌朝に彦根駅で下ろしてもらいJRで帰還。何はともあれ初夏の琵琶湖と山の幸を存分に堪能でき興奮覚めやらぬ採集となりました。

同行してくれたD君に心から感謝です。