卯月の関西魚探し遠征 その1 丹波編
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ある者は伏流水の中からニョロリと這い出し、ある者は婚姻色を纏って恋に邁進する…
淡水魚が熱い季節になってきましたね。
4月半ば、GWに先立ってまとまった有休が取れたので、関西方面へ遠征してきました。4日間かけて各県を巡り、ガサガサメインで魚たちの顔を拝み倒すプランです。
1日目。始発のひかりに乗って新大阪へ。


駅でレンタサイクルを借り、まずは田園地帯を流れる小河川でガサガサ。関西在住時はたまに遊びに来たエリアなので、懐かしい気持ちでいくつか川をハシゴしました。


アブラボテ。西日本の流れっ川のタナゴといえばこれ。
鰭のオレンジ色が美しいです。地域によって色の出方がかなり多様なのも魅力ですね。


ミナミメダカに、タイリクバラタナゴ。そこそこ水深のある草陰では、一度に十数匹が網に入ることも。

砂礫の積もった淵を砂ごと掬うと、可愛いサイズのカマツカが。

川岸の泥濘では、冬籠りから目覚めたばかりのクサガメが日向ぼっこ。

全体的に細長いことに加え、殻口の横の条線「殻底肋」の数が比較的少ないことなどで見分けられます。
さて、ここからはとある魚を求めて平野部を離れ、山間部の里川に分け入っていきます。


カワヨシノボリとタカハヤ。フォッサマグナ以西の小河川の上流部では、だいたいこいつらが優占していますね。


サワガニやアカハライモリも網に入ります。
さらに上流を目指します。

降り立ったのは「源流」というワードがしっくりくる、谷底の細い流れ。
水深もごく浅く、一見魚類の生息には不向きな環境と思われますが…
石をひっくり返していくと、下流に構えた網の中に逃げ込んでいく魚影が見えました。


網の中で蠢いていたのは、お目当てのナガレホトケドジョウ。
湧水などのある良好な環境の水路や谷戸を好む近縁のホトケドジョウとは似ても似つかず、このような急峻な沢を好むようです。
見た目も雰囲気こそホトケドジョウに似ていますが、よりスマートな体型で、眼から吻端まで黒線が入るなど、識別は容易です。
網の中はしきりに暴れ回り、観察ケースに入れてからもなかなか静止してくれないので、撮影にかなり難儀しました。
無事に目当ての魚も捕れ、満足したのでここでガサガサはお開きに。観光モードに切り替えます。
更に電車に揺られてやってきたのは…


日本で最も標高の低い谷中分水界(こくちゅうぶんすいかい)として知られる「石生の水分れ」です。
通常、降った雨は山の稜線を境に異なる方向に流れ下ることが多く、これを分水嶺と呼んでいますが、河川争奪など複雑な要因が重なって、異なる水系が平地で枝分かれするケースが稀にあります。
この石生の水分れは太平洋側の加古川水系と、日本海側の由良川水系の接続点となっています。また、これらの川が山を削って形成した低地は、この辺りの地名 (丹波市氷上町) をとって「氷上回廊」と呼ばれ、先ほどのナガレホトケドジョウも含めた多くの生き物がこのルートを通じて分布域を広げたと考えられています。
地形にはロマンが詰まっていますね。
この日の晩は京都の実家で宿泊。
早寝して翌日からの行程に備えます。