国内に48か所存在する「三県境」。そのほとんどは山地や水域に位置し、容易に到達できるものではありませんが、日本で唯一平地にいながら三県の土を跨げる場所が首都圏にあります。
東武日光線の柳生駅から北東へ徒歩約10分と、公共交通機関でのアクセスも容易な親切仕様。
ちなみに、かの渡良瀬遊水地の最寄り駅でもあります。この「平地の三県境」が成立したそもそもの経緯も遊水地の整備に伴って周辺の河川の流路が大きく変更され、河川上に引かれていた県境はそのままの位置で残されたというものであり、水害と公害に振り回された苦難の歴史を感じさせます。
ロケーション自体は至って普通の田園地帯という感じで、三県境をなぞる形で引かれた細い水路脇に来訪者用の広場が設けられています。
手作り感溢れる説明書きも。地元住民の方々のちょっとした熱意が微笑ましいです。
ご丁寧に記念のスタンプまで用意されていましたが、肝心のスタンプ台がカピカピに干からびており使い物になりませんでした…
周辺には道の駅もあります。ここでも三県境を大々的にアピール。
渡良瀬遊水地(谷中湖)。湖畔を走る県道9号線は(南から)埼玉→栃木→群馬→埼玉→群馬と、約1kmの範囲で4回も県境をまたぐというとんでもない県境オタク道……ナードロード。通常のカントリーサインの他にも、歩道にでかでかと白文字でその旨が記されています。成立経緯も含め、かなり見ごたえのある県境探訪となりました。