なまずのねどこ

ちょっとオタク寄りな旅の記録。B級スポットとか県境とか駅とか魚捕りとか。常にどこかに出かけていたい負け組大学生。

"100%絶景の島" 甑島列島を旅する 1日目


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先日東シナ海上の離島・甑島(こしきしま)列島に行った時のお話です。上甑島・中甑島・下甑島の3つの有人島を擁する島々で、現在は全域が合併により薩摩川内市域となっています。昨年夏に中甑島と下甑島を結ぶ甑大橋(鹿児島県内最長!)が開通して車での3島縦断が可能となって以来、是非行ってその絶景を堪能したいと考えていました。

甑島へのアクセスは

・川内港からの高速船

串木野新港からのカーフェリー

の2通りです。1日に各2往復が運航されています。

 


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早起きして鹿児島市内の自宅を出発し、川内駅を8時丁度に出発する高速船ターミナル行きのシャトルバスに乗車。川内駅のある薩摩川内市街がかなり内陸寄りに位置しているため、港までは30分ほどバスに揺られることになります。

九州新幹線停車駅なので、博多からのアクセスも可能です。

 


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川内港高速船ターミナルに到着。周りに何もない場所なので、飲み物や朝食などは予め買っておいた方がいいかも。

中で乗船券を購入し、いざ出航!

 


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デッキからの眺めと、船内の様子。川内港から上甑島の玄関口・里港まで50分の船旅です。

 

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島が近づいてきたので船窓に目をやると、この海の青さ。補正なしでこの色ですよ!透明度がえげつないです。

 

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港からの景色もこの通り。下船口でレンタカー店の方が出迎えて下さっていたので、ささっと手続きを済ませます。

かごしま楽巡りキャンペーンの一環で、島内で宿泊するとレンタカー代金が5000円引きになるとのこと。車での島旅にこれ以上ない耳寄り情報でした。

 


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里港周辺の道沿いには丸い石で築かれた石垣が広がり、沖縄や奄美の集落のような南国情緒と城下町の厳粛な雰囲気が同居した不思議な空間でした。武家屋敷の流れを汲んだ歴史ある街並みそのものが観光名所と言えそうです。

 

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上甑島の北端に近い市の浦海岸。キャンプに良さそうです。

 

ところで、里は陸繋砂州(トンボロ)の町としても知られます。沿岸流によって形成された砂州が陸地と陸地を繋いだ特徴的な地形で、有名どころでは函館(北海道)や串本(和歌山県)の市街地もこのトンボロ上に立地しています。里もまた海岸地形の例として教科書に載るほど典型的なトンボロで、地理オタク的にはかなり唆るものがあるのです。

 


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そのように里町のアイデンティティともいえる地形であるため、集落の端々でトンボロの文言が見られ、トンボロカレーなる名物が港の食堂で提供されていたりします。そんなもの食べたくなるに決まっていますが、今回はコロナの関係で食堂は閉鎖中…南無三!

 

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…トンボロの解説はそこそこにして、島巡りに戻ります。こちらは先ほどの市の浦海岸と里町中心部との道中で眺めることのできる、里トンボロ西側の防風林。防風林があるということはそれなりに風が強く吹き付ける立地であることが予想されます。甑島列島の西側は東シナ海の外洋に面し、偏西風を遮るものがないために海峡の狭窄部で強い波風により砂の堆積が促され、現在の里トンボロが形成されたということなのでしょう。

 


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この里トンボロの全景を眺められる場所を求めて上甑島最高峰・遠目木山への登山を決行。とはいっても標高は423mで4合目ほどに車を止められるスペースもあり、登山道も整備されているため、1時間程度で往復が可能です。

 


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そしてこれが山頂からの風景。思わず溜め息を超えて訳のわからない叫び声が出てしまいました。

 


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甑島を代表する景勝地である長目の浜の砂州や、中甑島へ繋がる橋までもがしっかり見えてしまうので、上甑島よくばりセットというほかありません。

 

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満足して麓に降り、長目の浜へ。先ほど上から見てきたばかりなのでインパクトは薄いですが、天橋立を髣髴とさせる美しい風景です。

下甑島を目指し、さらに車を南へ走らせます。

 


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中甑島への入り口にあたる甑大明神。断崖絶壁に鳥居が立つ独特な風景を橋の上から堪能できます。この断崖が甑(こしき。調理器具であるせいろの一種)に似ていることが甑島の由来になった(※諸説あり)とも言われています。

 


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開通して1年が経つ甑大橋を眺望できるスポットもあります。左が中甑島側の木の口展望所、右が下甑島側の鳥の巣山展望所からの眺めです。


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下甑島の鹿島断崖。遊歩道沿いにはカノコユリが咲き乱れます。見頃は例年8月頃までのようで、滑り込みでなんとかこの絶景を堪能できました。

 

余談ですが、下甑島に入ると道路状況が急激に悪くなる区間が出てきます。甑大橋周辺のような近年になって整備された区間は線形も良好で快適にドライブができますが、鹿島地区以南の県道349号線には甑島列島を南北に貫く幹線道路と思えないような狭隘な山道も多く、注意が必要です。

 


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上甑島の里と同様、フェリーと高速船が発着する下甑島最大の港・長浜港。ここで甑島3島の離島カードをコンプリートしました。

 


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下甑島最南端に近い手打集落に到着する頃には既に17時を回っていました。こちらも里と似た石垣の街並みが広がっています。

 

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下甑島のライフラインとなっているスーパー「フレッシュポート エグチ」。食料品や日用品に加え、生イキくんや撒き餌用アミエビなど簡易な釣り餌類も扱っているため便利です。翌日に釣りをするつもりだったため少し購入。

離島の小規模なスーパーにもかかわらずキャッシュレス決済の類は一通り使えたりと、結構頑張っているお店でした。

 


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日没まで少し時間があったので、手打港で小物狙いの胴突釣りに興じることとしましたが、本命のポイントが工事中で入ることができず成果は今ひとつ。イスズミの大群が相手をしてくれました。写真はテンジクスズメダイとノトイスズミ。

 

寝不足だったこともあり、日没後は翌日の行動に備えて車中で仮眠をとることとしました。

次回に続きます。