遥かなる船路 小笠原父島紀行 3日目(前編)
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旅も3日目、そして父島に上陸して2日目。
日の出には間に合いませんでしたが、起床するやいなや、青灯台へ繰り出しました。

この日はおがさわら丸が硫黄島クルーズに出払っている関係で、普段青灯台からは見えないははじま丸を見ることができました。
さて、肝心の釣果ですが、どうも今一つパッとせず。


オヤビッチャや、昨日も散々苦しめられたムレハタタテダイが餌を掠め取っていきます。たまにハナアイゴがポツポツ混じる程度。

トゲチョウチョウウオも混じりました。沖縄や奄美のような南の島では、普通のチョウチョウウオ(ナミチョウ)よりこちらの方が見る機会が多いです。小笠原も同様なのでしょう。

煮付けサイズのオビブダイを追加したところで、朝の釣りは終了。
大物狙いでオヤビッチャの切り身をブッコんでおきましたが、そちらの方には音沙汰はなし。

帰りに小笠原生協に寄ったところ、期間限定のずんだ味スーパーカップが入荷しているのを見つけました。こういうのもちゃんと本土から運ばれてくるんやね。
仙台に行ったらずんだシェイクを飲んで帰らないと気が済まないずんだ狂信者として、嬉しい誤算でした。

先程釣ったオビブダイと、昨日のノコギリダイを煮付けにして朝食としました。
その後、野生のオガサワラヨシノボリを一目見るという目的のため、しばらく別行動することに決定。あらかじめ伝えてはいましたが、これを許してくれる嫁には本当に感謝しかありません。

電動自転車を借りて、市街地から離れた森へと繰り出します。


道中では、外来トカゲのグリーンアノールを何匹か見かけました。長い尾とコロコロ変わる体色が特徴で、かなり敏捷に動き回ります。小笠原には天敵となる哺乳類などもいないため、固有種の昆虫などを一方的に食い荒らすなどやりたい放題。駆除用の粘着トラップが至る所に設置されています。
電線に止まっていた右の謎バードは…イソヒヨドリの雌ですかね。


カタツムリの死殻もところどころに落ちていました。
左はオキナワウスカワマイマイ、右はシュリマイマイですかね。どちらも沖縄原産の貝類で、この小笠原では外来種です。

海に注ぐ細流に分け入り、いざ採集。

石をひっくり返すと、本州の汽水域でもたまに見かける、テンジクカワアナゴが網に入りました。

浅瀬にはボラ類の群れがうろちょろしています。カマヒレボラかな?全然わからん。
う〜ん、ヨシノボリの環境ではないですね。ちょっと下流すぎたかな。
移動します。
小笠原諸島は世界遺産であると同時に、一部区域が自然公園法に基づく国立公園にも指定されています。区域内では立ち入りや生物の採取などが厳しく禁止されていますので、今いる場所がそのような場所にあたらないか、細心の注意を払いながらポイントを探していきます。

海に隣接する汽水域から魚の生息が困難に思えるような浅い流れまで、幅広い環境で見られたのがこのグッピー。
小規模な川が多く、汽水域もあまり発達していないため、小笠原における淡水〜汽水域の魚類相は比較的貧弱です。そのようなガラ空きのニッチに上手く入り込んで、強かに生息域を拡大しているものと思われます。

4〜5か所目の細流で、ようやくオガサワラヨシノボリとの出会いを果たせました。


まず網に入ったのは、コンディションの良い雄個体。
クロヨシノボリに酷似しますが、分布域が重ならないことに加え、胸鰭や尾柄部の斑紋に差があり、形態でも区別可能とされています。尾鰭の赤と各鰭の黄色い縁取りが良いアクセントになってますね。
雌は他の多くのヨシノボリと同じく、地味な姿をしています。


似たような細流で見つけたオガサワラカワニナ。小笠原の川でのもう一つの目標種です。
一見何の変哲もないカワニナのように見えますが、その名が示す通り小笠原の固有種。加えて、カワニナとは少し異なるトウガタカワニナ科というグループに属しています。トウガタカワニナ科の貝類の多くは海水の影響のある水域を中心に見られますが、このオガサワラカワニナは純淡水域のみで生活史が完結します。
同所ではヤマトヌマエビが生息していました。臙脂色のスポットが美しく、観賞用としても人気のエビですね。実は伊豆の河川でもそこそこ見かけます。
目的の2種と出会うことができたので、日が傾かないうちに撤収し、宿へと戻りました。
川の規模が軒並み小さく、道路から離れた場所が多いので、藪漕ぎを伴う冒険的な採集となりました。
後編へ続きます。